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5月16日
一昨日幼い頃からの親友が殺された。
何故伴仁が殺されなければならかったのか?
伴仁はとてもいい奴だった。
子供が好きで、面倒見がよく、私のどうでもいい愚痴等にも嫌な顔一つせず付き合ってくれた。
その性格が故か、伴仁はよく保育士か学校の教師になりたいと言っていた。
最近は似合いもしない眼鏡を掛け、毎日図書館へ通って勉強するのが日課だったようだ。
明後日には試験当日だったというのにどうして…
今日、留置場へ行って伴仁を殺した罪人(泡野現祢[あわのげんない]と面会した。
何故彼を殺したのかを聞くためだ。
私が質問すると、泡野は反省した様子もなくその口を開いた。
「理由?そんなもの、ないよ。俺はただ人を殺すとどうなるのかが知りたっただけだ。結論は…そう。分からなかった。え〜と‥なんて言ったかな…‥思い出した!信濃伴仁(しなのともひと)だ!あいつは脆くて弱くてサンプルにもならなかった。次誰かを殺るときは──」
私は泡野がそこまで言ったところで、2人の空間を隔てる板を思い切り殴りつけていた。
人を殺すとどうなるか?
脆い?
サンプル?
ふざけるな!
そんな下らない考えの為に伴仁は殺されたのか!
本当に死ぬべきは泡野ではないのか!?
…悔しいことに泡野への判決は無期懲役とはならなかった。
長い時間を掛ければ泡野は出所する。
これでは…伴仁が浮かばれないではないか‥
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明里香(プロフ) - エピローグじゃなくて、プロローグです。 (2022年10月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロリス | 作成日時:2013年11月18日 23時