#159 何もできなかった ページ26
「その顔立ち……あぁ。あの人の妹か。君のお姉さんにはお世話になった。まさかこんな所で会えるとは思わなかったよ。一夜」
「お前に名前で呼ばれる筋合いは無い！」
「つれないことを言わないでくれ。同じ研究所で、同じ研究をした仲じゃないか」
この男は……！！！
「ふざけるな！同じ研究所で？同じ研究を？……！！！！お前さえ来なければ父さんと母さんが死を選ぶことは無かった！お前が私の家族とその人生を壊した！その罪、死んで償え！」
「死んで償え、か。どうやって？その手に持っているオモチャで僕を殺すつもりかい？」
落ち着け……！
こいつの挑発に乗っては駄目だ。
一旦冷静になろう。
「僕がサイマティックスキャンに引っ掛からないのは一夜も知っているはずだ。一夜は僕「達」の研究の唯一の被検体なのだから。表向きにはPHYCO-PASSをクリアに保つ実験として。本当の意味としては、『僕と同じ免罪体質者を人工的に造る実験』として」
「えぇ、そうね。お前が私に行った実験のお陰で私は今でも免罪体質者のままよ。そのことに責任を感じた父さんと母さんは死を選んだ」
「そして一夜のお姉さんは僕が直々に殺してあげた。崖から海に突き落としてね。一夜は自分のお姉さんが殺されようとしているのに、ただ後ろの方で見ているだけで何もしなかった。今は、どんな気持ちだい？」
「……後悔している。あの時私が何か行動していれば、きっと姉はお前に殺されることはなかった」
私は……何もできなかった。
信じていた同じ研究所の仲間が裏切ったその姿を見て。
姉を追い詰めながらも、後ろに居た私に向かって見せた不適な笑みを見て。
恐怖でその場を動くことすらできなかった。
私は姉が突き落とされるのを見ているだけだった。
「一夜のお姉さんは今でも遺体が見つかっていないらしいね。捜索も随分と前に打ち切られたと聞いている。見つかるといいね。その時は、白骨遺体だろうけど」
「姉を……！愚弄するな！！！」
挑発に乗っては駄目なのに！
挑発に乗っては駄目なのに！
どうしてこいつは！
人の心をここまで的確に揺さぶれるの！
「気に障ったのなら申し訳ない。……それで話を戻そうか。一夜はどうやって僕に罰を下すつもりだい？ここまで来るかい？そんなことをすればこの人を殺すけど？」
「助けて……！」
常守監視官の友達……！
どうしたらこいつに……！
「止まりなさい！」
「つ、常守監視官！」
常守監視官が、私の後を追って到着した。
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明里香(プロフ) - 174常森監視官じゃなくて、常守監視官です。なんで、普通に常守表記出来ているのに、間違えるのですか。わざとですか？ (2022年10月20日 23時) (携帯から) (
レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 153話全てにおいて、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 152話全てにおいて、常森じゃなくて、常守です。いい加減確認してください。 (2022年10月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 142話、以上はないじゃなくて、異常はないです。でも問題ないじゃなくて、では問題ないです。 (2022年10月20日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 138話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月20日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロリス | 作成日時：2014年11月8日 23時
