#184 同じ色相とエリアストレス ページ4
「結局誰も事件を通報せずエリアストレス警報で異常が発覚したってんだもんなー」
「……見過ごしたのは人間だけじゃない」
慎也さんがそう言って見つめる先には街頭スキャナーがある。
智己さんもそれに気づいて言葉を続ける。
「……はぁ〜…よりにもよってPSYCHO-PASSスキャナーの目の前で…じゃあ犯人の色相変化もリアルタイムでモニタされてたわけか?」
「これです」
私は既に見ているが、智己さんはまだ見ていなかったようで弥生さんがその時のログを智己さんに見せる。
「…相変わらず正常値のまんまかよ。恐れ入ったね…」
それを見た智己さんは呆れたようにそう呟く。
「女を殴る瞬間でさえたったこれだけしか変動がない…」
ログによると、犯人のPSYCHO-PASSは39.2。
多少興奮している程度の数値で、凡そ人を殺している最中の人間が保てる数値ではない。
「やっぱ数多そのものが偽物って可能性は?」
となると秀星さんが言ったPSYCHO-PASSの偽装がまず疑われる。
「無いわね…偽のPSYCHO-PASSを捏造するなんてスーパーコンピュータでも引き摺って歩かないと無理」
けれどもその可能性は弥生さんの指摘によって潰される。
「……」
「……」
「……」
「……いや…こいつは妙だ」
全員が不可解な事態に思い悩んでいると、慎也さんが何かを思いついたように語り始める。
「見ての通りだろ…」
「そうじゃない。反応として正常過ぎる……見てみろ。こっちがエリアストレスの変移…犯人の色相変化とそっくりそのまま推移している」
「あ…ホントだ」
慎也さんの指摘通りログを見てみると、折れ線グラフによって表示されているエリアストレスと犯人の色相変化が完全に合致していた。
……よく気付いたな。
「…じゃあこの犯人は…」
「……あぁ。周囲の目撃者と全く同じメンタルで行動してたって事になる」
人を殺しておいて、目撃者と同じメンタルで行動……?
いくらなんでも、そんな事不可能だ。
……でも、なんだろう。この喉に引っかかってる妙な違和感は。
私はこの答えを知っている気がする。
この謎を解き明かす為に必要な鍵をどこかで知った気がする。
……でもどこで……?
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シロリス(プロフ) - ご忠告ありがとうございます。手違いで外し忘れておりましたので、ただいまタグを外させて頂きました。 (2022年7月29日 0時) (レス) id: f7f4b00746 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 失礼します。この作品は二次創作でありながらオリ/ジナル作品になっています。ルール違反なので、オリジ/ナルのタグをきちんと外していただくようお願いします。作品を作られる際はルールをよく確認されて下さい (2022年7月29日 0時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シロリス | 作成日時:2022年7月29日 0時