三百三十七話 ページ9
吊戯「オレその討伐作戦に同行してたからね
15歳のときだったかな
露木さんはすごく優しくて正義感のある…
オレにとっても、父親みたいな人だった」
私達とあまり大差のない歳だったのか。
そんなに優しい人だったら、
さぞかし…息子のほうの露木さんも、愛されていたんだろう。
だからこそ殺されたときの憎しみは大きいんだ。
吊戯「修ちゃんの気持ちも、国ちゃんの気持ちも
オレにはわかりはしないけど…
オレに大切な誰かを殺された人達は、
オレにこんな気持ちを向けているのか? とは思うかな――」
壁に寄りかかって続ける。
御国さんも実質吸血鬼に殺されたようなものだからかな。
え? なんで知ってるかって?
そういうものですから。
吊戯「だからって、オレのすることが何か変わるわけでもないけどね
きっとオレはこのあと、またたくさんの吸血鬼を殺すことと
そして最低でも椿との相討ちを求められる
まあ言われればやるだけだよ」
まるで、自分の意志なんてもとから無いような言い方だった。
――…いや…ぶっ壊されちゃってる
…そんなことを軽口で言える程壊されてるのか。
真昼「…吊戯さん、あなたは
相手の痛みがわかるのに…どうして…」
吊戯「痛みなんて、わかりはしないよ」
問いかけに対してはっきりと答えた。
しかし目はわずかに逸らしている。
真昼「…それでも、わかろうとしなきゃ始まらない
椿の動悸と目的のヒントがあるのなら、俺達はC3とも向き合っていく!」
最後まで言いきった。
一言間を置いて吊戯さんも話し出す。
吊戯「――…たしかに、キミ達が求めてるもの…
“憂鬱”の彼の動悸と目的は
希望を抱かせるような言葉が耳に入った。
正面からさらに顔をあげ、吊戯さんの顔を見つめる。
吊戯「
これから起こることもわかる
同じことをしようとしてる人間は、彼のほかにもいるからね…」
口に指を当て、歯を見せて笑った。
指が離れるとき、口の端を歪めてニヤリとする。
吊戯「…でも、キミ達には教えない」
真昼「な…!?」
吊戯「言ったでしょ? 『オレは善人じゃない』」
いつものように両手を広げて冗談っぽく言ったが、
まったくそこにユーモアの気配はなかった。
呵責の色を顔に浮かべる。
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識玖(プロフ) - ハムハムさん» コメントありがとうございます!いえいえ、ご指摘いただけて嬉しいですm(_ _)m 今現在、必要な部分を一巻から多めに書かせていただいております。アドバイスなどありがとうございました! (2016年9月23日 19時) (レス) id: ec5b32c672 (このIDを非表示/違反報告)
ハムハム - あと夢主を多くだすなら漫画の場面全て書くのではなく、夢主の行動がわかる必要な部分をなるべく書くようにするといいとおもいます!更新頑張って下さい! (2016年9月22日 21時) (レス) id: 895fe76255 (このIDを非表示/違反報告)
ハムハム - いつも楽しく読ませていただいております!355話のフードを咥えさえる理由何ですが“痛みに耐えるため”ではなく“舌を噛むことを防ぐため”です!ハツコメなのにいきなりの指摘で申し訳ありません! (2016年9月22日 21時) (レス) id: 895fe76255 (このIDを非表示/違反報告)
識玖(プロフ) - マリモルンさん» コメントありがとうございます!やはり妹さんの出番少ないですよね; 無理に入れると矛盾が生じてしまうのが怖いので、なるべく発言は心の中にしていました・・・せめて真昼などの身近な人達と一緒のときはなるべく話させるようにさせていただきます! (2016年2月11日 19時) (レス) id: ec5b32c672 (このIDを非表示/違反報告)
マリモルン(プロフ) - いつも読んでます!!でも少し欲を言うならもう少し夢主を出していただけると嬉しいです。夢小説なのでその主人公が出ていないのは夢小説と言えるのでしょうか...意見してしまい申し訳ありませんでしたこれからもがんばってください! (2016年2月11日 7時) (レス) id: 5e0941f9d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:識玖 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/silky04062/
作成日時:2016年1月30日 22時