【SERVAMP】もしも城田真昼に妹がいたら-９

三百四十三話 ページ15

吊戯「ひとつは新品、もうひとつは国ちゃんが昔着てた(・・・)やつでさ
　ここ出てくときに置いてっちゃって…」
弓景「出たぜ、修平の予知能力」
吊戯「もったいないからオレが寝間着にしてたんだよね」
盾一郎「あー…お前着てたな」
吊戯「あっ、クリーニング済みだから大丈夫だよ！」

そうして袋を渡される。

吊戯「それを着るなら…C3(ここ)のルールに従ってもらうからね？」

「着る」という単語から大体察しはついていたが、中にはＣ３の制服が入っていた。
大きめのものと、それの一回り小さいものが入っている。
…露木さんすげえ。

小さいほうを受け取った。
考えてる時間はない。

ジャケットのように羽織り、バッジでとめた。

強欲組が閉じ込められている部屋。

突如ハイドの座っている椅子が倒れた。
音に気付いたリヒトがピアノを弾いていた手をとめ、
立ち上がって様子を見る。
異常さに声をかけてみると、顔に苦痛の色があった。

リヒト「おい…？」

心臓の部分を抑えて倒れていたのであった。

ハイド「う…っ、やっ…べ…」
リヒト「ハイド！」

額に汗が浮かぶ。
普段の笑顔からは想像もつかない。

リヒト「どうしたバカネズミ」
ハイド「天使ちゃ…オレ…」
リヒト「死ぬのか！？ ハリネズミの寿命は大体５〜10年だとクランツが…っ」

(おそらく)心配しているようで、マフラーを引っ張った。
その影響で顔が青くなる。

リヒト「最期に…天使の鎮魂歌(レクイエム)を聴いて逝け…！」
ハイド「ちょ…マジ今天使ギャグにツッコむ余裕ないっスから…」

もう手遅れと判断したのかピアノに戻り、フォーレの「レクイエム」を弾き始めた。
…リヒトの歌声も入っている。
楽しそうに弾いているようにも見えた。

リヒト「マ…ジ、やばいっスよこれ…っ
　にーさんじゃないと(・・・・・・・・・)…おさえられな(・・・・・・)…ッ

“怠惰”の兄さんのところに…ッ
は、早く…ッ！」

Ｃ３のモニターからもその様子が観られる。
異常を察知した監視員が連絡を取り始めた。

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