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ご飯系を食べた後はもちろん、デザートが待っていた。
焼きそばと唐揚げで晩ごはんを済ませることはもちろん初めてだし、栄養バランスなんてどこ吹く風だったけど、そんなことは気にならなかった。
佐倉くんは綿菓子、私はりんご飴を買った。
またしても佐倉くんが、代金を払ってくれた。
片手に綿菓子、もう片方の手にりんご飴を持って、歩き食べを楽しんだ。
甘いもののオンパレードだったけど、現実の世界の方が何百倍も甘かった。
チョコレートに砂糖をかけたみたいに甘かった時間だけど、そのチョコレートはホワイトじゃなくてビターだったのかもしれないとも後から思った。
夏の暑さでどっちもすぐに溶けてきて、二人とも手がベタベタになった。
それさえも、佐倉くんと笑い合っていればすごく楽しかった。
ひとしきり騒いだ後は、屋台で遊ぶことにした。
小学生と思しき子たちが、元気よくはしゃいでいる中に私たちも入っていった。
入れ物とポイをもらって、早速スーパーボールのたくさん浮かんだプールのそばにしゃがみこんだ。
ポイが破れないように、慎重に、そおっと水の中に紙を浸けた。
紙が破れないうちにすぐに入れ物へとポイを引き上げて、今度はポイの持ち方を変えてすくった。
隣の佐倉くんは一回やったきり、真ん中で大きく裂けたポイを片手に「無理じゃない？」と諦めていた。
「何でそんなに取れるんだよ」
「もっとそおっとやらなきゃいけないんじゃない？雑にやったらすぐに破れるよ」
「これでも丁寧なんだけど」
ちょっとすねた表情をした佐倉くんは、横で歓声を上げている小学生と同化して見えた。
こんなかわいいところもあるんだな、と微笑ましく思った。
でも、射的では完全にさっきまでの立場が逆転していた。
佐倉くんが撃った弾は全部、的に当たった。
私は一つも当たらなかったのに、この違いは何なんだろう。
「百発百中……！」
「これ、楽しいんだよな」
そう言いながらパンパンと小気味よい音を立てる銃を構えた佐倉くんの姿に、西部のカウボーイを見た。
手に持つには多すぎるほどの景品を獲得した佐倉くんは、その半分を私にくれた。
佐倉くんはカバンを持っていなくて全部私のバッグに入れちゃったから、結局分けた意味はなかったんだけど。
無意味なことでも、この一瞬一瞬が「楽しい」「幸せ」という意味を持つ。
わざわざ意味なんて求めなくてもよかったし、考える必要もなかった。
花火の時間が近づいてきたのか人ごみに流される形で、お腹が空いたからと買ったかき氷を片手に広場に向かった。
「頭キーンってする」
佐倉くんも私と同じ状況になっていたのがまた、面白かった。
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