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ベッドの中で、そっと目を開けた。
布団に入ったまま腕だけ伸ばして、目覚まし時計を確認した。
ジリリリリ……
その瞬間、大音量でベルの音が鳴り響いた。
びっくりして、思わず目覚ましを持った手を離してしまった。
「ガチャッ」という嫌な落下音で、ふわふわした体を起こした。
アラームを止めた後、枕元に置いてあった「佐倉くんと遊園地 9時に最寄り駅」と走り書きしたメモが目に入った。
慌てて時計を見ると、まだ朝の七時半過ぎで、ひとまず安堵した。
両親が仕事に行ってしまっているのはいつものことだから、とりあえずテレビをつけてから、慣れた手つきで朝ご飯を用意した。
その間に顔を洗って、朝ご飯を食べながら何の興味もないニュースを流し見した。
途中で出てきたSnow Manには、目が釘付けだったけれど。
食べ終わってから再び時計を見ると、ちょうど八時。
まだパジャマ姿だということに気づいて、急いで自分の部屋に戻った。
そこで引き出しを開けて初めて、ついさっきまで気にも留めていなかった事実に気づいた。
——着ていく服がない。
普段は学校から帰ってきてもそのまま制服姿だし、休日は部活がある日はTシャツにジャージ、部活がない日はパジャマとほぼ変わらないレベルの部屋着で過ごしている。
まともな服なんて、ここ何年も着ていない気がする。
そもそも親のセンスが崩壊しているから、服は全部自分で買っている。
でも楽なものを着たいという私の欲望ばかりが先走りして、部屋着以外ろくに買った記憶がないのが現状だ。
引き出しには部屋着しかないのは分かっているから、諦めて自分の部屋を後にした。
服って、部屋の引き出し以外にどこにあるっけ……？
適当に思い当たる場所を探してみたけれど、服は見つからないのに時間だけが過ぎていった。
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