放送室のカンナギさん其の三【地縛少年花子くん】

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？？side




ﾎﾟﾀ…ﾎﾟﾀ…




点滴から水の滴る音がする




？「…ぅ…んん？」




？「おはよう、A」




『おはよ、おかーさん』




母「汗とかかいてない？」




『うん、だいじょーぶだよ』



母「そう…」




子供「きゃーーー！」




子供「〇〇ちゃんつかまえたー！」




子供「△△くんあしはやーい！」




病室の外から聞こえる賑やかな声




『ねぇおかーさん』




母「なぁに？」





『Aはさ、いつになったらおそとであそべるの？いつになったらおうちにかえれるの？』




母「あのね、Aは病気だから、それが治るまでここにいなきゃいけないんだよ」




『びょーきはいつなおるの？』




母「それはA次第だからね…でも、病気が治ったらいっぱいお外で遊んで良いからね」




『そっかぁ…あのねおかーさん！私ね！おにごっこしてみたいな！かくれんぼも！』





母「うん、きっと出来るよ」



『おともだちもたーーっくさん作って！それに…








かなちゃんにもあいたい！』




母「そうねぇ、叶奈ちゃんにも会えると良いねぇ」





『あのね！かなちゃんのつくってくれるあめちゃんおいしいんだよ！』





母「そうなの…あ、もうすぐお薬の時間ね」





『にがいの？』




母「苦いけど、これを飲んだらAは早く良くなるんだよ」




『そっかぁ…じゃあがんばる！』




母「偉いねぇ」ﾖｼﾖｼ




『えへへへ』






“大丈夫”




“きっと治る”





“外で遊べる”





毎日のように聞いたその言葉





小学三年生となった今でも言われ続ける




ｺﾞｸｯ



ﾀﾝｯ



薬を飲み、コップをテーブルに置く




『ねぇ、お母さん』




母「…何？」




『“僕”の病気…治るよね』




母「…きっと治るわ」




『……』




ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ




？「Aー！がっこーいこ！」




母「はーい、今行くわよ、ほらA行ってきなさい」




『そうだね、行ってくるよお母さん』




ｶﾞﾁｬ



扉を開けて声をかける





『おはよう









普、司』





これから話すのは僕と双子が会う物語

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