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目が覚める。視界にあるのは無機質で白い天井だった。
消毒液の匂いがする。
「ここは…」
確か俺は戦闘中に明らかに血が出まくって、気絶して…。
体はどこも痛くない。きっと、ヒーラーちゃんが治してくれたんだろう。
となると、ここは拠点だ。
「お、起きた〜？」
「ウェン君…ここ、拠点で合ってる？」
「合ってる合ってる。ほら、ヒーラーちゃん仮眠中〜」
「ほんとだ…」
声に顔を上げると、ウェン君がそこにはいた。俺の様子を見にきたらしい。
彼の言葉に倣って、視線を移すと彼女はベット脇のデスクに突っ伏して仮眠していた。
普段の彼女なら、ベットで眠っていそうなのに…どうして
「ふふ、ヒーラーちゃんね…ずっとテツが起きないか、見てたんだよ。普段なら医者は患者の見本になるものだ〜って、仮眠もちゃんとベットでとるのに、テツが心配で寝れないみたいでさ。可愛いよね〜」
「えっ」
「僕達が帰ってきたと思ったら、テツが血だらけですごい焦ってたんだから。無理しちゃダメだよ〜？」
「あっうん」
一応頷いたが、僕は動揺していた。嫌われていると思っていた彼女が、僕の心配を…？
本当に？果たして、あんなに俺に当たりがきつい彼女が、僕相手に焦るものだろうか。
そんなことを考えていると、彼女がモゾモゾと動き出す。
「あ、起きた？おはよう、Aちゃん」
「ん…おはよ赤城」
「ところでテツ起きたよ」
「はっ！？起きっ！？早く言いなさいよ！！」
「寝起きだからとりあえず挨拶でしょ〜？」
「目覚めたら起こせつったでしょうが！！」
ウェン君にそう言いながら、彼女は立ち上がり俺を見た。
明らかに怒っている。俺の体には包帯も何もないことから、彼女の魔術による治療だ。
彼女が顔を歪めていくのと同時に、俺の背中に冷や汗が流れていく。
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作者名：613 | 作成日時：2024年2月7日 7時
