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「あれ、ロウ君？そっか、そういえば今日合同任務だっけ」
「よ〜イッテツ。そうそう」
「あれ、ってことは星導君とライ君、カゲツ君も来てる？」
「来てる来てる。全員バラバラに行ったけど」
「相変わらず、皆マイペースだなぁ」
そう苦笑すると、ロウ君はケラケラ笑う。合同任務、久しぶりな気がするなぁと考えていると、足音がして振り向いた。
そこにはヒーラーちゃんがいた。俺と目が合った後、すぐに横にいたロウ君に視線を移して目を細めた。
「もう来てたのね、小柳」
「あ？ああ、お前か」
「…元気そうね。それは何より。わかってると思うけど無茶はしないこと」
「へーへー、相変わらずお節介だな。お前を泣かせると面倒だし、しねーよ」
「…泣かないわよ」
「よく言う〜w」
「星導と叢雲、伊波は別行動？…一応全員にも忠告しておかないとね。あんたら、マイペースなのが多いから言っておかないと」
「まぁ確かにな。言っても聞かなそう」
「マイペース筆頭が何言ってるの？？」
そんな二人の会話を聞きながら、視線をあちこちに動かすことしかできない。
…彼女のことは嫌いじゃないけど、どうしても怖い印象があるせいか、やっぱり話しかけられない。
「…佐伯くん」
「ハイっ！？」
「あなたも無茶はしないように」
「へぁ…」
「…いいわね？」
「ハイ…」
「ほんっと、イッテツには特に心配性拗らせてんなぁ」
僕を流し見て、彼女は通り過ぎていく。
どこか圧を感じる冷ややかな声、凛とした瞳が俺を見ていた。
…彼女にとって僕は問題児のような扱いなのかなぁ。そう考えてため息を吐いた。
呆然とする俺の耳に、笑い混じりのロウ君の小さな声が届いた気がするが、内容まではちゃんとわからなかった。
「あー…やっぱイッテツ、まだ自覚してねーのか。まぁ、そうだよなぁ」
「え？何の話？」
「相変わらずだな、イッテツもあいつも」
呆れたように首を軽く横に振って歩いていくロウ君を追いかけて、少し小走りになる。
本当にどうしたんだろう。心当たりは何もなくて、ロウ君の笑顔が何かを含んでいることしかわからなかった。
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作者名：613 | 作成日時：2024年2月7日 7時
