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彼女の言葉に面食らう。
…佐伯くんが好きって言った？え、今。好きって。
え？？でも、そんな素振り…は、なかったと思うけど…。
元々彼女を誤解していた身だ。俺の知らないところで、そういう部分を見せていたのかもしれない。
息を呑んだ時、彼女は困ったように微笑んで、言葉を続けた。
「誰かを助けたいと願って、それを行動に移して、“誰か”の無事を当たり前みたいに喜ぶヒーロー。…そんなあなたを、最初のうちは…ただ尊敬していただけだった。でも、あなたを見ているうちに、感情に変化があって、あなたに抱くものが敬愛だけではなくなって、懸想するようになった。…困らせると思ったし、あなたとは年も離れてるし、きっと私なんかを好きになるはずがないと思っていた。怖がられていたし。だから、その…今、だいぶ戸惑っていて。その、おかしなことを言っていたらごめんなさい」
「…えーと、Aちゃんの好きな人は俺で…。え？ずっと前って…い、いつから！？」
「……東のヒーローの治療が中心になって、主にあなた達…Oriensを担当することに決まって、そう経たないうちに」
「え？？そんな前？」
「ええ。…あなた以外の東の3人とDyticaは私の気持ちに早くから気づいて、早く言えとうるさかったんだけど…最近様子が変だなと思ったら、あなたのことも気づいていたのね」
「え、あ！！だ、だからなんか皆面白がってる感じだったの！？」
7人の様子に納得していると、彼女が少し落ち着いてきて、俺が告白したことを実感し始めたのか目が合わなくなってくる。
…照れてるのかな、可愛い。っていうか、そっか。両思いでいいのか…Aちゃんに好きな人いるって知って、意気消沈してたけど、その好きな人は俺だったオチですが。
え？だからリト君、マナ君、ウェン君は、俺が「失恋した…」って言っても曖昧に笑うだけで、雑な慰めだったの？？え？
「…そっか。だからこの間ぼーっとしてたのね」
「うん。…好きな子に好きな人いるって知って、ちょっと呆然としてました」
「そう。…そう」
「……思ったより照れてる？」
「い、言わないで…今必死に感情を整理してるから…」
少し赤くなった顔も、逸らされる目も。その姿は新鮮に映る。
え、え〜！めちゃくちゃ可愛い…好きだ…。
…気を取り直して。ちゃんと言わないと。
「Aちゃん、俺と…付き合ってください」
「…うん。喜んで」
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作者名：613 | 作成日時：2024年2月7日 7時
