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[healer]
「はーい、もしもし〜？」
「もしもし」
「うわ、すごい不機嫌で笑う」
「で、なんの要件かくらいはわかるわよね？星導ショウ？」
「フルネームじゃん…えぇ、俺何かしましたっけ？」
スマホ越しのふにゃふにゃした声に、ため息を吐く。
…こいつ、よくもまぁ笑っていられるわね。
ニコニコと笑う星導の顔が浮かんで、怒りが強まる。
「佐伯くんに変なこと吹き込んだの、あんたでしょ」
「変なこと…？あ、」
「私に好きな人がいるって言ったらしいじゃな〜い？どういうつもり〜？」
「すごい怒るじゃん…いやぁ、これくらいならいいだろうと思って」
「は？」
「星導、誰と電話してんの？」
「伊波もいるの？」
「あれ、もしかしてA？」
「ええ、そうよ。おたくの星導が余計なこと言ったみたいだから？急遽電話をかけたってワケ」
「あー…それはるべが悪い」
「ひど〜」
「え、Aつった？」
「おいタコー、スピーカー」
「はいはい」
「…全員いるのね」
「めっちゃ不機嫌で草」
「あ、あれか。この間、タコがやりすぎたから怒られてるんか」
「カゲツ正解〜、るべは反省しな」
「ひどいなぁ、反省はしてますよ？」
「はぁ…全く。佐伯くん、よほどびっくりしたのか、私に本当かって聞きに来たんだからね。どういう状況で、どんな言い方したのか知らないけど、変なことはしないでよ」
「…へぇ」
私の言葉に、星導の声が楽しそうになる。
…やっぱ反省してないだろ、こいつ。
「イッテツ、どんな様子だったんです？」
「はぁ…？何よ急に」
「いいからいいから」
「ほんと懲りないなこいつw」
「イッテツ、落ち込んどらんかった？」
「落ち込む…？ボーッとしがちで、落ち込んでるっていうより気がかりなことがあるみたいだったわね。手当てしてたら、私の好きな人の話題にはなったけど、彼の気がかりなことが何かまではわからない…。どうしたのよ、叢雲」
「いや…まぁ、落ち込んどらんならいいわ」
叢雲の様子が変だな。そう思っていると、電話越しに楽しそうな星導と伊波の声がする。
なんで「これからが楽しみ」だの、「へぇ〜、イッテツが聞きに…へぇ〜」だの言ってるのやら。
「Aは本当かって聞かれて、なんて答えたんです？」
「え？…一応は事実だって言ったけど。何よ？」
「へぇ〜、そうなんだ〜」
「…とにかく、次会ったら覚えときなさい」
「こわ〜」
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作者名：613 | 作成日時：2024年2月7日 7時
