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待ち合わせの時間よりも前に、待ち合わせ場所で彼女を待つ。
服装は、マナ君に写真送ってみたし、大丈夫だろう。
…Aちゃん、どんな格好で来るんだろ。というか、結局緊張してるし落ち着きないしで、かっこいいなんて思ってもらえない気がしてきた。ダメかも！
「佐伯くん。ごめんなさい、待たせた？」
「へぁ！？う、ううん大丈夫！そんなに待ってないよ！」
嘘です、30分前に来ました…なんて言えないので、安堵したような笑みを浮かべる彼女をチラッと見る。
仕事の時とは違う系統の私服だ…可愛い…。心なしか普段に比べて目が合わない気がするんですが、やっぱ変だった？？陽キャのセンスいい服装を陰キャがしても意味ない…ってコト！？
それはそれとして可愛い…。どうしよう、手汗かいてきた。
「可愛い…」
「え？」
「あっっ、ご…ごめん。気持ち悪かったかな、ほんとごめん」
「…そんなこと思ってない。ありがとう」
「そ、そっか」
顔あっつ。そしてAちゃん優しい…。仕事くらいでしか会ってない男に可愛いとか言われて怖かっただろうに…。というか、パーティーの時さらっと綺麗って言った気がする。あれ？好感度マイナススタートだったりするか？これ。
などと冷や汗をかいていると、少し困った顔をした彼女が僕を見上げた。
「カフェ、行くんでしょう？」
「う、うん！ごめん…」
「謝らなくていいわよ。…私だって緊張してるし」
「へ？そうなの…？」
「そりゃ、まぁ…」
その先の言葉は紡がれることはなく。…そんなにこのカフェ来てみたかったのかな。
カフェで少しは落ち着かないといけないよな…。ゆっくり、深呼吸。
「…あの、佐伯くん」
「はいっ！？」
「今日、どうして誘ってくれたの？」
「へ？」
「…言っておくけど、嫌だったとかじゃないわよ。ただ…急にどうしたんだろうと思って」
「あー…」
君のことを好きになって、意識して欲しいと思ったから。なんて言う勇気を、今の俺は持ち合わせていなくて。
でも、それでも。ほんの少しでも気持ちが伝わるような、そんな言葉を。
「前、草凪ちゃんのこと知りたいって言ったじゃん」
「…言ってたわね」
「その延長というか…他の7人が羨ましいなって思った、と言いますか」
「……そう。じゃあカフェで話しましょう」
「…草凪ちゃんは俺に聞きたい事とかない、ですか」
「飲み物、一杯で済まなくなるけど。…それでもいいならね」
「！うん」
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作者名：613 | 作成日時：2024年2月7日 7時
