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いつの間にか横に移動していたカゲツ君が、笑って俺の肩を叩いた。
…何？？と言うか俺の言葉遮った…？
「まっ、緊張するかもしれんけど、頑張ってこいよ佐伯」
「えっ！？！？ぼ、僕エスコートとか自信ないけど…」
「大丈夫、軽い食事くらいしかないから。挨拶回りはするけど…。えっと、佐伯くんで決まり？」
「せやな」
「おー」
「ん。…佐伯くん、スーツとか持ってる？持ってないならレンタルの手配しとくけど」
「レンタルでお願いします…」
「そう。…話はこれだけなんだけど、あんたらどうする？お菓子とゲーム機くらいしか出せないんだけど」
「お菓子食べる〜」
「ゲームって何あんの？」
「マリオカートとスマブラがあったはずだけど」
「マリカ最強決定戦でもしますか」
…途中からおかしいなと思ってたんだけど、もしかしなくともアシストされてない？
え？俺がAちゃん意識してるのってそんなにわかりやすい？？絶対カゲツ君とかリト君とか、適任いたのにそんな強引に僕推薦しなくてもさぁ…。確かにナイフ使ってるから、咄嗟の時に取り出しやすいけど。
これ、Aちゃん以外の全員にバレてるよなぁ、楽しそうだもんな…こっち見る皆の顔。
ちょっと恥ずかしいんだけど！？
「何イッテツ、すでに緊張してんの〜？」
「ライ君…もしかしなくともDyticaにも、草凪ちゃん意識してるのバレてるの…？」
「佐伯の顔見れば全員わかるやろ」
「カゲツ君！…恥ずかしすぎてどうにかなりそう」
「多分、気づいてないのAだけですから、ご安心を。応援してますね」
「星導君までそういうこと言う〜！？まだ好きって決まったわけじゃないというか、あの」
「お前がそんな意識してたら、好きって言ってるようなもんじゃん。まぁ、アイツはよっぽどのことがないと好かれてるなんて、気づかないんだろうが」
「うわー！！ロウ君、そういうこと言わないで！…余計緊張するから！！」
そんな会話をしていると、皆ケラケラ笑い出す。…本当にもー、他人事だと思ってさぁ。
緊張からか、早鐘を打つ鼓動。ゆっくり深呼吸する。
…今こんなんで、当日大丈夫かなぁ。僕がスーツ着るなら、彼女はドレスでも着るのでは？？ドレス…
あくまで護衛なんだから、しっかりしないとなぁ…。
彼女のことが気になるのが友人としてなのか、異性としてなのか。それはパーティーでわかるだろうか。
着飾った彼女を見て、余計緊張しないといいけど…。
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作者名：613 | 作成日時：2024年2月7日 7時
