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「悪いわね。あんた達も暇じゃないのに」
「全然いいって！というか、Aが呼び出すなんて珍しいね？」
「なんか仕事なん？」
「あー…最近お前忙しそうだしな」
「…相談事でもなんでも、俺達でよければ聞くよ」
「ありがとう。…じゃあ、早速本題に入るわね。今度、一部の上層部も出る会合…報告会を兼ねたパーティーみたいなのに出ることになったんだけど…個人的には出たくないけど、生憎付き合いとかもあるから出ないといけなくて。あんた達のうち、一人か二人がいいかしら。…護衛を頼みたいの」
ここ最近、Aちゃんはひどく忙しそうだった。俺達はそこまで忙しくもないが、彼女は“主に”東のヒーローを担当しているだけで、他のヒーロー達が負傷すれば、治療の為に要請が来ることもある。そんな彼女が忙しいとなれば、一部地域の戦況が芳しくないのは明白だった。
だから、珍しい彼女からの呼び出しに僕達8人は少しそわそわしていたんだけど…護衛って言った？
しかも、わざわざ僕達に相談って…もっと腕のいい護衛は雇えるだろうに、なんで俺達？
「その話自体は構いませんけど、なんで俺達に言うんです？専門の護衛くらい、貴方なら雇えるでしょう」
「雇えなくもないけど…こういうのはよく知ってる人の方がリラックスできるし、行きたくもないパーティーに行くのに、よく知らない人に護衛を頼むなんて御免よ。あんた達の実力はよく知ってるし、上も納得するでしょう。納得しないなら説き伏せるだけだし」
真顔で淡々と。当たり前みたいに言うAちゃんからの信頼の滲む言葉に、僕含めて皆たじろいでしまった。嬉しそうな顔をする人、そういうところだと言いたげにため息を吐く人に別れているが、Aちゃんはケロッとしている。…たまにこういうこと言う人だよな。うん。嬉しいけど。
ちょっと照れていると、徐々に気を取り直した皆が僕を見ている。
なんだ…？
「護衛…ならオレはなしかなぁ、大きいハンマーじゃ取り回し悪いし」
「うんうん。僕もちょっと目立っちゃうしね〜」
「…なら、イッテツちょうどいいんじゃね？」
「えっ！？僕！？…俺じゃ、実力不足じゃないかなぁ…」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。上層部の人間も出るパーティーなら、そう危ないことにならない場所でやんだろ。だよな？」
「ええ、KOZAKA-Cは基本的に出ないとは聞いているわ。護衛は念の為だそうよ」
「…取り回しがいい武器なら、カゲツ君とかも…わっ！」
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作者名：613 | 作成日時：2024年2月7日 7時
