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[healer]
「A、いい加減イッテツに告白した？」
「んぐっ」
「大丈夫？」
「そりゃ咽せるやろ。Aやぞ？」
「…私のことなんだと思ってんの？」
「ウブでツンデレな我らが可愛いヒーラー」
「なんて？」
グラスを呷った正面に座る男…星導を睨むが、平然と笑っているだけなのでため息を吐く。
その代わり、横に座って爆笑している伊波を睨むと、「ごめんてw」…軽い謝罪が返ってくる。
星導の横に座った叢雲は呆れたようなことを言っては、目の前の料理に夢中だ。相変わらずの3人との飲み会は、空気が心地よくて、嫌いじゃないと思う。出不精が過ぎる小柳が来ないのもあいつらしい。
西の連中と飲むことが多い、と思う。私は東のやつらも友人だと思ってるけど、あの3人を誘うなら佐伯くんも誘わないと不平等だし、そうなると私は飲むわけにいかない。彼に酔っている姿を見られたくないから。それ故必然と、西の3人(稀に4人)と飲むことが多くなった。
…そんな急に告白とかの流れになる？
「…何度も言わせないで。告白なんてしないわ」
「えー、なんでです？今は少なくとも…嫌われてるかもーなんて泣きませんよね？」
「この間まで怖がられていたであろう人に告白するほど、私は肝が据わってないの」
「結局フラれるのが怖いんだ？へー」
「…だったら何」
「別に？今なら、完全に脈なしなんてことはないと思ったので」
何言ってるんだこいつは。
相変わらず、私が睨んでも星導は意に介さないので、伊波にどうにかしろと言うつもりで、横を見ると優しい顔でこちらを見ていた。
…ほんと、何考えてるかわからないわ。
「何？伊波」
「ん〜？泣いてないAと恋バナできんの嬉しいなって」
「何それ…」
「まぁでも、ぼくも早くイッテツに言った方がええと思うで？」
「叢雲までそういうこと言う？」
「貴方、担当になった頃から好きですからね。俺達からすれば、早く言えとなるのもやむなしでは？」
「……私、佐伯くんを困らせたいわけじゃないもの。そりゃ好きになってもらえたら嬉しいけど、あの人は私みたいな可愛げのない女よりも、可愛い女の子の方が好みでしょう。それに私、佐伯くん含めあんたらと歳離れすぎだし？」
「(好きになってもらえたらいいとは思うんだ)」
「(ほんと難儀な性格しとるなぁ)」
「(可愛げない…ないか〜？)」
「…何？」
「いえ、今度は“そっち”でグダるかぁと」
「何の話？」
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作者名：613 | 作成日時：2024年2月7日 7時
