続々、海賊の世界に飛んだ一般ピーポーは最強と言う肩書を持ってしまいました。

百二十四話目　貴「俺の全力はガキを泣かせてしまう効果があるようだ。」 ページ36

俺はその歌を歌った。
今までで一番全力で、今までの辛いこと、憎かったこと、悲しみ・・・
すべてを思い出しながら、大声で。
心を込めて歌うなんてそんな生ぬるい事じゃない。
捨てられてからの約七年間の感じてきたことすべてを吐きだした。
そして半分はあいつに対する憎しみ・・・
どのくらいお前がやったことが酷い事だったか知れ！！

歌い終わるといつもなら何かしら感想を言ってくる低学年たちも、
なぜか抱き着いてくる優も、それを叩いて止める信も、

皆固まっていた。

よく見ると、そのまま無表情で泣いている女の子や抱き合って震えている子たちもいた。
信と優も静かに泣いていた。

貴「え？そんなに下手くそだった・・・・」

信「いや・・・違うんだ、今までで一番上手だった。」

まだマシな方だったのになんでみんなそんな反応なの？

優「ねぇちゃん、怖かった。」

貴「え？なんｄ・・・

優「おねぇちゃぁぁぁん！！」

優を筆頭に、何か知らんが皆抱き着いてきた。
おおおおお！！どどどどどうしたんだぁぁぁ！？
すぐに俺は身動きができない状況に。
どうしよ・・・

信「聞いてて、怖かった・・・・」

ぼそっとつぶやいた信の言葉が意味深で、俺は首をかしげた。

母「あ、あぁ・・・」

声が聞こえたほうを見るとあいつは腰を抜かしておびえていた。
・・・・・。
なんだろねあいつは、俺が許すとでも思っていたんだろうか？
そんなベタベタな昼ドラのような展開を俺に期待した時点で間違いだ。
まぁ、これが「私」だったら期待する価値はあっただろうけど・・・
ｔｋガキ暑い！

貴「おい、そろそろ離れろ。いくら四月でまだ暑く無い今でも暑苦しい。」

「おねえちゃんつらかったんだね。」
「僕らがいるから大丈夫だよ！！」

貴「いや、俺を悲しいボッチみたいに言うな！」

いやそうなんだけども。
そうだ！俺は人間不信の悲しいボッチだ！！(←開き直った

母「ねぇ・・・Aゆるして・・・」

泣きながらまだ何か言っているあいつ。
さっきの歌の歌詞聞いても許してとかほざくのかコイツは・・・

俺はガキ共にんじゃね〜というとアイツの横を通り過ぎようとした。
そのとき腰を抜かしたままそいつは俺の服を引っ張った。

母「ねぇ・・・」

貴「あ！思い出した！！」

それを聞いて顔を少し明るくしたそいつに一言。

貴「俺はあんたに殺された。」

俺は服を握る手をはたいた。はたかれた手はぶらんと力なく体の横に垂れた。
何時かの俺の手のようだった。

百二十五話目　貴「狂った人と狂わされた人と。」→←百二十三話目　貴「過去が追っかけてきました！おまわりさーん！！(泣」

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