百二十話目 貴「過去の清算。」 ページ32
走っているとこの町で剣道を教えているじいさんに出くわした。
老人会つながりで友好関係がある。
じいさんは竹刀を持っていた。
貴「あ！じいさん！！それ貸してくれ！！」
「稽古終わりだし構わんぞ、後で家まで返しに来てくれ。」
貴「わかった。」
颯「早く行くぞ！！」
そのまままた走り出す。
颯がもうすぐだ！と言ったところでふと思った。
貴「もし・・・最悪な状況でも、お前は家の中にはいってロープか何か持って来てくれ。」
颯「ッッ！そこの家だ！！」
颯が叫んだ時。
「キャァァァァァァァァ！！」
颯「湊！！！」
貴「まて、お前はわき目もふらずに家の中から縛れるものを取ってこいよ！」
そういうと俺は玄関のドアを開けた。
中には・・・
血だらけで倒れる男性が一人と。
黒瀬「湊ちゃんは・・・俺が言った通りに警察に話せ。もしやらなかったら・・・」
あの時と同じ、女の子が黒瀬にナイフを握らされながら命令されている。
五年前の俺の姿に重なった。
貴「でももしやっちゃったら俺みたいになるよ。」
黒瀬の後ろから声をかける。ゆっくりと振り返った黒瀬はあの時と同じ目をしていた。
あぁ、やっぱりこいつは正気じゃない。
黒瀬「あぁ、Aちゃんか。大きくなったなァ！」
そのままナイフを振り上げてくる腕を竹刀を使い、籠手の要領で思いっきり殴る。
黒瀬がナイフを落とした瞬間、
貴「颯！！」
颯はそのまま目を瞑って俺らの脇を通り過ぎて行った。
俺はそれを確認すると、竹刀を手から離して痛さでひるんだ黒瀬の懐に潜り込んだ。
そして黒瀬の襟首を握り、背負い投げの態勢に入る。
自分より大きい相手を投げることはできるが、高校生までしか投げたことは無い。
大の大人を投げれるか心配だったが普通に投げれた。そのまま関節を固める。
ばたばたと暴れる黒瀬を押さえつけながら家の中に叫ぶ。
貴「颯！急いでくれ！！」
体格差があるため完璧に関節技が決まってない。早くしないと逃げられる！！
颯「どこを縛ればいい！？」
貴「足を縛ってから、俺に縄を貸せ！あと、」
いまだに放心状態の湊の方を向き言う。
貴「お前は俺と同じようにはならなかった！大丈夫だから警察に連絡してくれ！」
俺の言葉で我に返ったのか走って家の中に入って行った。
俺は黒瀬の手を思いっきり縛った。
県警より先に交番の警察官がきた。
ここまで猛が案内してくれたらしい。
警官は黒瀬に手錠をかけた。
俺の五年に及ぶ戦いが終わった気がした。
百二十一話目 貴「過去の事は謝ってもしょうがないのでトイレに流そうｗ」→←百十九話目 貴「過去も今も繰り返し。」
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弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - コメント失礼します！百六話の最初の会話に草生え散らかしました！ (2021年2月14日 9時) (
レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - なぁなぁ、いつ悪魔の実を使う日が来るんだ？ (2020年11月30日 17時) (レス) id: 0cebd2e455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作戦隊長
| 作成日時：2014年4月26日 15時
