百十七話目 貴「過去にもいいことはあった気がする。」 ページ29
この港町の学校で俺はすぐ有名になった。
不良たちの中では最強。
女子や近所のおばさんたちからは相も変わらず人殺し。
しかし、この町の老人たちはそうでもないようで。
「ほらAちゃん、一緒にお茶でもしよう。」
「お菓子貰ったから少し上げるよ。」
「うちで取れた魚だ。雑魚だけどこの魚美味いんだやるよ。」
「畑で採れた野菜もおすそ分け。」
なにかと一人暮らしの俺の心配や話し相手になってくれた。
なぜかその町の老人会に毎回呼ばれるようにもなった。
老人会はこの町の老人が集まってお茶を飲んだり、簡単なゲームをしたり。
或る時に気になって聞いてみた。
貴「なぁ、俺って人殺しって言われてるんだぜ？なんでそんな普通に接してくれるの？」
真剣に聞いたら、ドッと笑いが起こった。
不思議な顔をしていたのだろう、一番長寿の元気おじいちゃんが話してくれた。
「Aちゃんが人を殺した所をわしらは見ていない、その上噂を簡単に信じるほど若くもない。Aちゃんはいいこだ。わしらの話し相手もしてくれるし、何かしていたら手伝いもしてくれる。わしらはAちゃんのことを自慢の孫だと思っているよ。」
貴「ホント？」
周りのおじいちゃんおばあちゃんたちも頷いている。
「まぁ、不良たちをぶちのめしているときはカッコイイ孫だけどねぇ。」
一人のおばあちゃんがそういうと、ドッとまた笑いが起こった。
何度も言うが、この町は小さく小学校は一つ、中学校も一つ。
そんなもんだから小学生たちが遊びに来る場所も限られている。
今俺がくつろぎながら野良猫と遊んでいる公園もその一つ。
今日は日曜日でガキんちょがたくさん遊んでいる。
でもまぁ、不良が多いこの町ですから・・・・
男1「おいテメェ、今俺にあたったろ？」
男2「謝んねぇのか？」
いや今のはお前らからガキに当たりに行ってただろ・・・
男1「俺ら結構痛かったから、お前も痛い思いするべきだよな。」
はぁ・・・
不本意だけど助けますか。
三分後。
俺によってぶっ飛ばされた不良×2となぜか友好関係を結んでしまった。
今の俺より一個上の中三らしい。
髪が短いのが猛、背が高いのが颯っていう名前。
猛「へぇ〜、お前が歌龍か。人殺しって噂の。」
貴「お前も軽蔑するか？」
猛「誰がするかアホらしい。」
颯「同意。」
貴「そうかｗ」
猛「少ししか話してないけどさ、お前父親殺したのか？」
貴「は？」
初めて聞かれた質問だった。
百十八話目 貴「このあたりの過去から俺の性格今の感じｗｗ」→←百十六話目 貴「過去の親の顔は覚えてない。ただし俺を見る目は覚えてる。」
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弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - コメント失礼します！百六話の最初の会話に草生え散らかしました！ (2021年2月14日 9時) (
レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - なぁなぁ、いつ悪魔の実を使う日が来るんだ？ (2020年11月30日 17時) (レス) id: 0cebd2e455 (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 124話で歌っている歌って、パラジクロロベンゼンかアンチクロロベンゼンですか？知りたいです！ (2019年3月16日 17時) (レス) id: 7bb9678102 (このIDを非表示/違反報告)
黄龍(プロフ) - 読んでて、過去編で泣いてしまいました。二次制作でも同情しちゃいます。まだ全然読んでませんが、これからも読ませていただきます！ (2016年12月7日 17時) (レス) id: 6bb3c9bdfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作戦隊長
| 作成日時：2014年4月26日 15時
