百十一話目 貴「過去を振り返るとなにかいいコトがあるのか？」 ページ23
結局、咲ちゃんは夏のプールの授業に一回も出なかった。
先生も何も怒らなかった。
でも、咲ちゃんはプールバックだけは毎日持って来ていた。
夏休みが始まって、終わり、二学期が始まった。
その頃から咲ちゃんは学校をたまに休むようになった。
先生は喘息もちでこの頃ひどくなったからと言っていた。
咲ちゃんって喘息持ってたっけ？
そして運動会も終わった十月。
咲ちゃんの家族が皆亡くなった。
私はお母さんたちと、お葬式に行った。
そこで咲ちゃんを見つけた、咲ちゃんの顔は真っ青だった。
貴「咲ちゃん！」
私が声をかけるとタッとどこかに引っ込んでしまった。
咲ちゃん？
お葬式から二日後、朝の会。
黒瀬「咲ちゃんが行方不明になった。」
クラス全「ええっ！？」
いっきにざわざわと騒ぎだすクラスメイト。私は声が出ないほど驚いた。
黒瀬「静かに！皆咲ちゃんを見かけたら俺に伝えてくれよ。」
クラス全「はーい。」
その日の昼休み、私は先生に声をかけられた。
黒瀬「放課後に体育館裏に来てくれないか？」
貴「なんでですか？」
黒瀬「咲ちゃんの事で話があるんだ。」
貴「っっ！！分かりました。」
咲ちゃんの事が気になって仕方ない私は、なぜ体育館裏なのかとかを考える余裕はなかった。
放課後――
黒瀬「来てくれたか・・・」
貴「咲ちゃんの事ってなんですか！？」
そう言って先生の方に近づくと壁に押し付けられた。
黒瀬「咲ちゃんはね、俺の家にいるんだ。」
貴「え？なんで、」
黒瀬「でもね、もう飽きちまったんだよ・・・」
貴「なんで咲ちゃんが先生の家に・・・」
黒瀬「だから新しい子が必要なんだ！」
貴「なんで、咲ちゃんが・・・」
黒瀬「お前らが悪いんだ！屈託ない笑顔で笑って、俺は悪くねぇ!!」
会話が、かみ合ってない。
怖い怖い怖い・・・
『Aちゃんとか咲ちゃんとか危ないわねって言ってたんだ。』
純君がいつか言っていた言葉が浮かんできた。
黒瀬「なぁ、Aちゃん。俺は悪くねぇよな？お前らが悪いんだよな？」
貴「だれかっっ！！」
黒瀬「大声出しちゃダメだろ？咲ちゃんがどうなってもいいのか？」
貴「ひっっ！！」
黒瀬「そうだ、決めろよ。」
貴「へ？」
黒瀬「明日から学校が終ったら俺の家に来い。それが嫌なら咲ちゃんは・・・
貴「くるっ！くるからっ！！」
黒瀬「そうかそうか！Aちゃんはいい子だなぁ・・・」
ニヤリと笑って私を見てくる先生が人間にはとても見えなかった。
百十二話目 貴「暗い過去はよく夢に見る。」→←百十話目 貴「過去を振り返ることも時には大事。」※こっから過去編
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弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - コメント失礼します！百六話の最初の会話に草生え散らかしました！ (2021年2月14日 9時) (
レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - なぁなぁ、いつ悪魔の実を使う日が来るんだ？ (2020年11月30日 17時) (レス) id: 0cebd2e455 (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - 124話で歌っている歌って、パラジクロロベンゼンかアンチクロロベンゼンですか？知りたいです！ (2019年3月16日 17時) (レス) id: 7bb9678102 (このIDを非表示/違反報告)
黄龍(プロフ) - 読んでて、過去編で泣いてしまいました。二次制作でも同情しちゃいます。まだ全然読んでませんが、これからも読ませていただきます！ (2016年12月7日 17時) (レス) id: 6bb3c9bdfb (このIDを非表示/違反報告)
リオ - すみません91話の後半の夢主のセリフ、三人ではなく四人ではないでしょうか (2016年1月26日 0時) (レス) id: f3169b7397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作戦隊長
| 作成日時：2014年4月26日 15時
