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20.全員アンケート��
僕は颯太が前に行く中ゆっくり立つ。
「まぁね、僕中性的顔だし？女の子役とかしたことないし女子力ないけど、これでもミュージカルの本場出身なので実力見せてやりますわ」
高飛車にトンッと段を下がって颯太の元に行く。
「あ…っ」
あんまり近くても違和感でちゃうから、無理なくギリギリ颯太の胸に倒れられるくらいの位置でつまづいた演技をして颯太にしがみつく。
颯太はびっくりして僕のことを抱きとめてくれた。
…もっとよろけるかと思ったけど、想像以上にがっしり受け止めてくれたな。
「ご、ごめん颯太！どこも痛めてない…？」
颯太の胸から顔をあげつつ、カメラ側の髪を耳にかけ、反対側にこてんと首を傾ける。
颯太の胸に倒れこめるよう計算したから、たぶん颯太から見て今僕はいい感じに上目遣いのはず。
「〜っあ、だ、だいじょう、ぶ、！」
「ごめんね…？」
きゅっと颯太の腰回りの服をつかみ、シュンとしたように俯くと、颯太がギューっと僕を抱きしめた。
「え、待って俺ら何見せられてるの？」
最初はhoooo！とかやば！って歓声が上がってたけど、甘い雰囲気が出始めた僕らにコーキがつっこみをいれる。
「はい、どう？僕こういうあざとい女の子可愛いと思うんだけど。…って颯太もう大丈夫だよ。ありがとう」
「まぁじで可愛かった。可愛すぎて無理」
「凄いのがさ、さすが色々詰め込んできたよね。耳かけ、上目遣い、首を傾げるとか」
「コーキプロに劣らないデキジュなんで」
「あとね、ごめんね…？の言い方と服きゅって握られるのやばい。なんか全部が可愛かったしずるかった。あ、俺この子のこと守ってあげなきゃって思った」
「ちなみにつまづいたのわざとでいいんだよね？」
「そう。だから颯太に先に行ってもらったの。今回はミュージカルよりお客という名のカメラが近いから、細かく詰めちゃおうと思って。つまづくタイミングも距離も、その後も完璧な計算だったでしょ？颯太がいい演技してたのもあるけど」
「いやあの反応はガチでしょ！！！！！もうさ〜俺が相手役が良かった！！！！俺のがAのこと幸せに出来るよ！！！！」
オリの必死の訴えにどっと笑いが起き、颯太も離してくれたので一緒に席に戻った。
次はメンバーの直してほしいところ。ゆーじんのすぐにチューをするところが挙げられ、被害者が手を上げる。
「(多)」
「待って待って！安嶋くんにはやってない！」
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作者名：玄琉 | 作成日時：2020年5月11日 0時
