奇病専門医の日記【男主】実況者

6日目 『心傷の患者side患者』 ページ19

胡散臭いコイツはどうやら先生の友達で
鬱(先生は大先生って呼んでた)と言うらしい。



始めに言っておこう。
俺はコイツが嫌いだ。

まだ深くは知らないけれど、俺を女だと勘違いした
コイツと仲良くなんかできない。(怒)




そして先生には何か事情があるらしく、
俺はこれから蒼玉の水？ってのを
この国の軍事施設を拠点に探すことになった。






グル「グルッペン・フューラーだ。よろしく。」

(この国の、総統…)




話には聞いていたが、思ったよりも全然若い。
本当にこんな人がこの国を…

「シャオロンです。お会いできて光栄です、総統閣下」





テンプレの様に言葉を発す。
この程度の常識は一応持っている(と思いたい)。



グル「そう堅くならなくてもいい。なんにせよ
これからここに住まわるのだからな。
…早く治るといいな。」

「あっ、はい！」




…まぁそりゃ知ってるか。
得体の知れない病気を持ってることくらい。




＊＊＊






それから俺は"大先生"と色んな色んな所へ行き、
水を飲んでいった。




でも、奇病は治らなかった。




「………。」

鬱「じゃあ明日はこっち方面もっかい行ってみようね」

「ｯ、なぁ…もう辞めね…？」

鬱「え？」




「もう、全部無駄な気がしてきた」

体が、また強く痛む。




鬱「…どういう、こと？」

「だってさ、こんだけ各地に行ったんだよ？
もう探してからだいぶ経つし。
時間の無駄じゃない？」

鬱「治さないと辛いのはシャオちゃんやで。」

「知ってるよ。でも、これは大先生のことじゃない。
俺個人の話なんや。
…これ以上、誰かと一緒に行動したくない。
俺のせいで大先生の時間を奪いたくはない。





これからは、俺1人で探す。」





そうだよ。俺の為に他人の時間を奪うなんて最低だ。
俺だったら絶対嫌だし、他のことに時間を使いたい。

そして、歩きだそうとしたその時






鬱「シャオロン。」






腕を強く掴まれた。






「なに、離してよ。」

鬱「1人でどうやって探すんや？
心当たりがあるわけもなく、交通手段も多くはない。
そんな奴が本当に探せると思っとんのか？」

「探せると思う、じゃなくて探すんや。自分の為に。
これ以上俺の為に他人を使いたくはない。


これ以上、"他人に嫌われるようなこと"はしたくない」

鬱「…。」

「…今日は、帰る。」









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鬱「俺はもう、シャオちゃんの"他人"やないで。」

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