奇病専門医の日記【男主】実況者

4日目 『心傷の患者』 ページ17

シャオ「…その男の人は、俺を何度も
精神的に耐えられないほど
その、写真とかな？撮ってきたんよ。毎日。
(お察し下さいby作者)


気づいたら1番嫌だった蛇みたいな皮膚は
なくなってて、これみたいな傷がついてん。

痛かったし、何より怖かった。


そんで、何年か経ったある日
なんとかそこから逃げ出したんや。そんで
住む場所がないから色んな空き家とか廃墟とか
回ってん。1箇所にいるといつかバレるかもだし

…昨日は驚かせて本当にごめんなさい。」

「…なるほどな。」









大方の原因はわかった。






「シャオ君、話してくれてありがとう。
最後に質問してもいいかい？」

シャオ「ええよ。俺もいっぱい聞いたしな」

「まず、君の年齢はわかるかい？」

シャオ「んー…15か16のどっちか。」

「そうか。じゃあ次。
君の奇病であるその傷は、
その時の感情と関係しているのかい？」

シャオ「せやで。話してる時はキツかった。
…あ、やっぱりここや。ほら、傷増えたやろ？」

「…しんどいな。」

シャオ「うん。しんどい。…でも、もう慣れた」

「…じゃあ最後の質問だ。







君は今、何がほしい？」




シャオ「ほしい、物…？」

「物じゃなくともなんでもいい。」

シャオ「…じゃあ、誰かに1回でもいいから
愛されたい…ってか大切にされたい、かな。」

「…そうか。わかった」

シャオ「………先生…ちょっと寝てもええか…？」

「あぁ。もちろんだ」

シャオ「ん…じゃ、おやすみ…」

「おやすみ」






ｶﾞﾁｬﾝｯ









扉を閉め、部屋を出てすぐに電話をかけた。








？『あーい？もしもし？』

「…大先生。久しぶり」

鬱『おう。てかどうしたん？
とりあえずグルちゃんおるから代わるなー』

「いや、今日は大先生に用があるんだ。」

鬱『へ？俺？』









.









「ちょっと明日あたり俺ん所来てくれ。」









.









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No.45 『シャオロン』

彼の過去、そして奇病の症状が出る状況を
理解することができた。
そして今の彼は《大切にされたい》と言った。
こういうことは、"あの奇病"を持つ俺では
対応できない。だから大先生に頼むことにした
大先生ならなんとかしてくれるだろうし、
グルちゃんの所ならなんとかなる気はする。



明日から患者が少しでも変わってくれることを
祈るばかりだ。

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