奇病専門医の日記【男主】実況者

1日目 『心傷の患者』 ページ14

コネ君とゾム君の一件から一週間が経った。

彼らはグルちゃんのとこでうまくやっている
というのをトン君伝いで聞く。




「それにしても、トン君の仕事っぷりは
本当に尊敬するほどだなぁ…」

トン「そう、ですか？普通だと思いますけど」

「俺はそんなに真面目な人間じゃないからさ
文字とか長時間見たくないもん」

トン「ふっwちゃんと書類は確認して下さい？w」

「わかってるよ〜…」






そう会話を交わしていると









ﾊﾟﾘﾝｯｯ







「「ｯ！？！？」」









窓ガラスか何かが割れる音がした


「トン君、行こう」

トン「はい」









？「ｯあ…れ、人…おったんか…」



音がした方へ行くと、男の子が血を流して
戸棚にもたれかかっていた。



？「ははっ、ごめん、な…おらんと思ってん…
すぐ出てくから、ｯい…てて……」

「トン君、用意を」

トン「！まさか…」









.









.









「"新しい患者"だ。」




＊＊＊



「どう？」

？「ありがとう…」ﾍﾗｯ

「まぁ、そう無理に笑わなくてもいいゾ。
…血はいくらか止まったかい？」

？「うん、だいぶ…」

トン「では、新しいタオルを持ってきますね」

「あぁ、頼む。」



ｶﾞﾁｬﾝ




「さて、と。まずは君の名前から聞こうか。
あ、私はAというゾ。よろしく」

？「俺、は………









"シャオロン"、っていうんや」

「そうか。じゃあシャオ君。
単刀直入に聞くが、君は奇病を患ってるね？」

シャオ「まぁ、奇病になるんかなぁ…」

「これらの傷は奇病の症状だよね？」

シャオ「多分、そやで。」

「ふむ…なるほどなぁ…」

シャオ「なぁ、先生？先生は、
"大切な人"とかおる？」

「急な質問だね。そうだなぁ…患者の皆は
同じくらい大切だな。例え完治したとしても
それは変わらないゾ」

シャオ「そっ、か。」

「どうしてそんな質問を？
何か心当たりがあるのか？」

シャオ「そうやな…結構、関係ある、かな？」

「…話せるかい？」

シャオ「んー…明日なら。今日はもう疲れた…」

「そうか。じゃあ、ゆっくり寝るといい。」

シャオ「おやすみなさい、先生。」








ｶﾞﾁｬﾝ









.









「…。」

トン「先生？どうしたんです？
そんな険しい顔して。」

「…なかなか、まずいな。」

トン「へ？何がです？」









.









「あの子を、早く治さないと…









本当に、手遅れの一歩手前にいるんだ…」

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