遺言 ページ3
どうもこんにちは
シャラこと、貝塚 政です
本日は遺言としてこうして録音させて頂いております
なので今から色んなことを赤裸々に語ろうかと思うのです
…が、あまり録音できる時間は短いようで
申し訳ありません
まず、引退した理由など言いましょうか
引退した理由は皆様に老いた醜い姿を見せたくなかったのです
声ならば、鍛えれば衰えることなく絶頂期と変わりなく聞こえますが
姿はごまかせません
私は一生
いえ、永遠あの姿で、あの声でいたいのです
氏んでもずっと
ずぅっと
あの姿のままでいたかった
なので、引退したんですよ
えぇと、次は人生についてですかね
私の人生は、
あまりに、つまらないじんせいでした
あまりに
つまらないじんせいでした
思い通りになる人生など、愚かしいでしょう？
退廃的で恒常的
不変で変わることは無い
確証のある人生
異変など1ミリたりともない
つまらないでしょう？
ねぇ
これ以上つまらない人生などないでしょう？
分かっていたのですよ
死ぬ日だってね
八月十五日
十五時零分零零
私はその日に死ぬのです
分かりきってることです
つまらないですね
恐ろしいなど思う方がおかしいではありませんか
分からないから恐ろしいものが分かっているのですから
あの子達が言いました
思い通りの人生はどうだと
面白いわけがない
楽しいわけがない！！
わかりきった事実など！
人生など面白くない！！
す……はぁ、
…はぁ…
失礼、すこしあつくなってしまいました
申し訳ない
あぁ、遺言なのに厭世的になってしまいました
これからは楽天的な話をしましょう
十年
十年後にまたこの世界にこさせていただきます
その時にはもっと面白く楽しい人生になってることを祈ります
忘れるな
忘れるんじゃ、ない
私のことを
私の声
私の姿
全て
また、きます
それまで、おやすみなさい
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作者名：屍子 | 作成日時：2018年9月9日 23時
