青葉城西の転校生は不良…なのか？【HQ】 (ページ5)

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Episode3 ページ5

-矢巾 side-

始業式があった昨日から数日経ち、学校ではもう授業が始まっていた。

例の転校生はというと、思っていたよりも真面目というか…、初っ端からサボったりしたりするのかと思ってたけど、その様子はなかった。

授業は受けてるし、ノートはとってる。
でも、完全に聞く気なしで、ぼーっと外を見ている。

座学の時はそんな感じだが、体育はちゃんと真面目に参加してる。
青城高校の体育は、2クラス合同で、選択授業によってAとBの男女2つずつに別れ、合計4つの組に別れて授業が行われる。

俺のクラスは6組と合同なので、渡と同じだった。
俺も渡ももちろんバレーがあるAを選択した。まぁ、初めはバスケからなんだけど。

女子の方では、Aを選ぶと初めの時間からバレーの授業があるみたいだ。
そこには転校生の姿があり、初回の授業なのでパス練だけだったが、見ていてすげぇ上手いと思った。

運動神経いいんだなーなんて思ってた。

2回目の授業の今日からは、試合があるらしいのでちょっと楽しみにしてる自分がいた。

そして体育の時間。

体操して軽くストレッチとかして男子はシュート練をしていた。
ゴールが空くのを待っている時、女子の方では試合が始まった。
2チームを見て1つ気づいた。

渡「なぁ、あれ…。」

矢「渡も気づいた？」

渡「うん。チームバランス偏りすぎだよね。」

矢「だよな。バレー部2人に対してあれじゃあな…。」

そう、渡が言ったように、メンバーが偏りすぎている。
例えるなら…ゴリラ女子vsうさぎ女子、みたいな←
バレー部2人共なかなか強気な奴らだし、パワーもなかなか、ガタイもうさぎ女子と比べたらいい方。
もちろん、その仲間もウェイウェイ系の運動部。

一方で、転校生のチームは小柄で、応援に来てくれたら嬉しいタイプばかり。唯一運動神経が良いであろう転校生も、細いしあの女バレのパワーでは吹っ飛ばされんだろうな…。

まぁ、それはわかってるから手加減はすると思うけど。
まずは転校生からのサーブだった。
普通のアンダーサーブ。

渡「お、サーブ綺麗に入った。…んんん！？」

矢「ちょ！！！あのゴリラ達…！！」

レシーブされたボールがセッターをしている女バレに返った時点でわかった。

もう一人の女バレのやつ、ガチスパイク決める気だ！！授業だし力の差考えろよ！！

俺と渡が勝手に慌てているが、お構いなしに振り下ろされる腕。

打ったスパイクは転校生の元へと飛んでいく。