青葉城西の転校生は不良…なのか？【HQ】 (ページ35)

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Episode33 ページ35

花「意識ある？」

松「いや、寝そうかも」

花「そっか。つーか熱ね…、朝は頭触った時そんなに熱くないから気づかなかったわ。」

松「俺も、ガチの五月病かと思ったら…、すっげぇ熱い。38°C超えてんじゃねーかな。」

Aちゃんの眠気を覚まさないように小さい声で低く喋る。

花「顔も赤いしな。マスク越しからでもわかるわ。」

花巻がAちゃんの顔を覗き込む。

『(あったかい…。なんか落ち着く匂いがする…。)』

いきなり、無意識だろうけどAちゃんが俺のシャツを少しだけ握った。

松,花｢｢んﾞんﾞ…！！｣｣

変な声が出そうになるのを必死で抑える。

松「ヤバい…かわいい…」

花「いつもと違う…素直…」

松「これはこれで…たまらない…」

花「それな」

人生で初めて感じた"萌え"に悶えながら保健室に着いた。

松「失礼します。」

保「どうぞ。…あら、昼にマスク貰いに来た子じゃない。」

花「それが、熱あるみたいで。高いようなら保護者の方に迎えお願いします。」

保「そうだったのね。じゃあ、とりあえず熱計るからベッドに寝かせてあげてくれる？」

体温計を取り出す保健医にそう言われ、優しくベッドへ下ろし、布団を被せてやる。

『んん…、』

うっすらと目が開く。

松「ごめん、起こした？」

花「もー、体調悪い時は言えよな」

そう言って花がAちゃんの頭を優しく撫でた。

『はなまきさん…』

花はﾊﾟｼｨﾝｯといい音がなる位、反対の手で勢い良く口を覆った。体育館での俺の反応と似ているので、あぁ、こいつも必死に抑えてるなとわかった。

ﾋﾟﾋﾟｯ

保「どれどれ…、38.4℃ね。」

松「やっぱ38℃超えてたか。」

『……うつしたかも…。』

そう呟くAちゃんの表情は、どこかしょんぼりしているように見えた。はっきり言わないけど、多分謝ってるんだろうな。

松「大丈夫だよ。ちゃんとマスクしてくれてたし。そもそも、俺らそう簡単に移るほどヤワじゃないからさ。」

花「そうそう！だからしっかり休みな。」

Aちゃんは控えめに頷いた。

保「起きたなら、保護者の方の連絡先教えてくれる？」

『はい…。』

保「貴方達は部活でしょう？もう大丈夫だから戻んなさいな！」

松「…はい、お願いします。」

花「失礼しました。」

にっこり笑った保健医さんに挨拶して、俺達は保健室をあとにした。