青葉城西の転校生は不良…なのか？【HQ】 (ページ32)

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Episode30 ページ32

-花巻side-

烏野との練習試合から約一週間後がたった日の朝。
いつもは朝練の時間ギリギリで体育館に入る俺だが、今日は珍しい時間に目が覚めたので、早めに家を出ることにした。

チャリを駅の自転車置き場に止め、ホームに降りると、電車を待っている松川と眠そうに目を擦るAちゃんがいた。

花「松川ー、Aちゃん、はよ！」

松「花巻じゃん、おはよ。どうしたん？こんな時間に珍しいな」

花「たまたま早く目覚めたから出るのも早くした！2人はいつもこの時間なの？」

松「いや、Aちゃんはもっと早いよ。つーか1番早い。」

花「あー、ネット張ってボールとかも準備しといてくれてるんだっけか。」

いつも遅めの俺は見たことがないけど、Aちゃんはすぐに練習が始められるよう、誰よりも早くに来て用意をしてくれてるらしい。

花「じゃあ今日はいつもよりか遅めなんだな。」

松川「なんか怠くて起きたら時間過ぎてたらしい」

花「おー？なんだ？五月病か？」

会話に入ってこないAちゃんの頭を撫でまわす。

『あﾞー…、うぜぇな…』

やめろと言って腕をペッペッと振り払うAちゃんだが、心なしかいつもより力がないように思えた。

マジで五月病かよ、と言おうとした時、アナウンスが流れ、電車が来たので乗り込む。

時間は早いけど混み具合は俺が乗る時間と変わんねぇんだな。なんて考えながら潰されないように松川と俺の間にいるAちゃんを見る。

本気でしんどそうに見える。具合悪いのか？

花「おい、大丈夫か？」

『大丈夫…、だるいだけ…』

松「立ってんの辛そうだけど、席どっか譲ってもらうか？」

『いい、そんなに時間かかんねぇだろ。』

本人がそう言うならと、しつこく聞くのをやめ、少しでも楽になるように、駅に着くまで俺らにもたれ掛からせた。

だが、楽になる様子はなく、学校へと歩いている時も、朝練の最中も疲れているように見えた。