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Episode9 ページ11

『やらない。』


及「そんなこと言わずに…!なんとか」



そして及川の言葉を遮るようにして言った。



『つーか誰だよお前ら…、名前も言わずに勝手にベラベラベラベラ話続けやがって…。』



ド正論。ぐうの音も出ない。



及「すっかり忘れてたよ!ごめんね!俺は男子バレー部主将の及川徹!こっちは副主将の岩泉一!岩ちゃんって呼んでいいよ☆」


岩「おい」


花「俺は3年、花巻貴大。」


松「同じく3年の松川一静。」



『どうでもいいわあんたらの名前なんかよ…。』




ずっと抵抗していた転校生だが、急に力を抜いて俯いた。
あまりにも空気が緩いから突っ込むのも諦めたのか?



『何なんだよほんと…この前からマネやれマネやれって…、追いかけて挙句の果てには拉致って…。腕もいつまでも離さねぇしよ……』



あ、これ違うわ。


完全にキレて、









ダンッ!!!!







転校生は左腕を掴む及川目掛けて、世に言う股ドン…、というより、及川の足の間目掛けて壁を蹴った。
当たってはいない。当たってはいないんだけど………。



転校生の足は、及川の急所の真下を蹴った。もし、それが少しでも上だったら……




自分がやられたわけじゃないのに、顔が真っ青になっていくのがわかった。
やられた及川は勿論、花巻も顔面蒼白。
いつもは動じない岩泉さえも顔を青ざめさせている。
あんなの息子に当たったら、一生使い物にならないだろう。









『腕、離せ。そんでそこどけ。』



及「ウ、ウィッス…。」



恐怖のあまり及川と花巻は手を離し、扉を開けた。


転校生はすぐ様屋上から出て行き、しばらくの間屋上に沈黙が流れた。







松「…及川、息子は無事か?」



及「無事だけど、タマヒュンしました」



花「俺もした…つい隠しちったし…」



まさか、あんなに嫌がられるとは思ってもいなかった。いや、あれは無理に連れてって呼び止めたからか。



岩「はっきり断られたし、しゃあねぇから他探すか?」



及「諦めるのは早いよ、岩ちゃん。勧誘続けよう。」



松「お前…あんなんされてまだ諦めてねぇの?次はモロ蹴られるんじゃない?Mなの?」



及「違うよ!けどさ、あんだけ嫌がられたら、逆に入部させたくない?」



花「それはわかる。」



松「やばいねお前ら。まぁその気持ちはわかるけど」



岩「わかるのかよ」



及「よし、じゃあ転校生…如月ちゃんの勧誘続けるよ!お前ら!」




岩泉は呆れた顔をしていた。

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作者名:かみなづき | 作成日時:2018年9月8日 3時

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