【twst】暫定。模索。短編集 ※不穏注意 (ページ1)

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初っ端から安易な監禁ネタで行くオル監（シュラ監前提）ページ1

ーーこの部屋に閉じ込められてから一体何日が過ぎたのだろうか。デジタル式の時計はあった。けれど窓は無い。時間帯に合わせて光量や色温度の変化する擬似太陽ライトが照明として用いられていると聞かされたが、監督生にとってしてみれば体内時計がどうとかいう小難しい話よりも、何時になれば本物の陽光を浴びられるのかという事の方がよっぽど大切だった。

　監督生にはここに連れて来られた時の記憶がない。思い出せるのは断片的な場面のみだ。イグニハイド寮長のイデア・シュラウドと、その「弟」であるオルトにより彼らの寮へ招かれ、談話室でお喋りをしていたら突如眠気に襲われた。そして目が覚めると、手荷物は全て取り上げられた状態でこの部屋に寝かされていたのだった。
　監督生とて警戒はしていたのだ。弟同伴とはいえ、あの引きこもりの先輩がわざわざ対面で会おうとするなどイレギュラーにも程がある。そしてイレギュラーな出来事には厄介ごとがつきものだ。この学園で何度も事件に巻き込まれてきた監督生には警戒癖がついていた。マブダチだろうとゲーム仲間であろうとここの生徒は大体曲者なのだ、と。しかもこの兄弟は監督生が女性であることを知っている数少ない人物であった。男女が二対一で逢引する意味を知らないほどウブではなかった監督生は、落ち合う場所が他の寮生も利用する談話室だったからこそ呼び出しに応じたのだし、出された飲料も無色無味無臭の水であることを確認してから初めて口をつけた。十六歳にしては中々の抜かりなさだが、結論から言うとそれでも警戒が足りなかった。寮長権限で人払いをし、談話室の監視カメラに細工を施し、水に溶かしても変色しない「薬」をダークウェブから入手することぐらい彼らには造作のないことだったのだ。今更気が付いても遅いのだけれど。

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