花月52「笑止千万」 ページ2
スタスタスタ
夜道を迷いなく歩く女が一人。
女は付けていた簪を外す。
美しき黒髪が風に救われて闇夜に靡く。
女の左目には"下零"と刻まれている。
段々と女の二の腕に痣のような物が現れ始める。
男「なぁ、何なんだろうな。冥怨教って。胡散臭すぎだろ。」
「……」
男たちは冥怨教について話していた。
声が聞こえた瞬間彼女の足がピタッと止まる。
……胡散臭い。
「おい。」
男「あぁん?…何だよ姉ちゃん。」
女は男の一人につかみよると、頭を掴んだ。
「アタシの主の悪口言うってことは殺されたいのよね?」
男「お?女が男の俺らを殺すの?ふーん……」
男1「おい!その女なんか変だぞ!!」
男2「てめぇっ……手を離しやがれ!!」
「へぇ……その事について何も言わないってことは殺して、って事で良いのよね?まぁ、せいぜいアタシの小腹満たしにでもなってちょうだい。」
女は男の頭を掴んでいる手の力を更に強くすると、こう呟いた
「血鬼術・倍々構築」
グチャッッ!!!!!!
生々しい音をたてて男の頭は潰れる。
一緒にいた男たちは腰を抜かしてその場に座り込んでいる。
「いい?その糞の詰まった脳ミソに刻み込みなさい。アタシは下弦の零・徒女よ。」
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「上弦の花月・異音様の忠実な傀儡よ。アタシはあのお方の為なら何でもするわ。……そう、死んでもね。」
花月53→←花月51「花月という鬼」※読んだ方が良いです(若干ネタバレ気味)
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作者名:おさなな@エル | 作成日時:2019年12月21日 19時