予防接種 ページ7
「じゃあ、次は雅紀くんだね。」
痛みに耐えた和也を褒めて、次に雅紀が呼ばれる。
今までの光景を見ていた雅紀はもちろん恐怖心は最高潮だ。
涙をぬぐう和也と入れかわって、椅子に座ると、
松本は同じように、カチャカチャと音をさせながら
注射器の準備を始めた。
「和也くん、泣いてたね？この注射はとても痛いみたいだな。」
どうやら和也の時とは、対応を変えて遊ぶ気らしい。
「普通の注射より、針が太いからかな？」
もちろんそんなことはないが、
ぴゅっと針先から薬液が飛び出す光景を見せられた雅紀は
その言葉を鵜呑みにして、ますます恐怖感が煽られた。
「まずは消毒するからね。」
雅紀の腕にひんやりとした感触が広がる。
(いよいよだ…)
雅紀は覚悟をすると同時に、思いっきり腕に力を入れてしまった。
松本にとっては好都合。
これでますます痛い注射が打てる。
「すごく痛いけど、我慢してね？」
一言かけた後、針先から目が逸らせなくなっている雅紀の目の前で
腕に針を突き刺した。
「！！いたい！！」
「我慢だよ？」
動きそうになった雅紀の腕を押さえて、
一気に薬液を押し込んだ。
「んぁぁ！」
急に全量を無理に押し込まれた雅紀の腕に強い痛みが走る。
「おしまいだよ。」
「う…うう…」
和也よりも少ない時間で接種を終えたものの、
薬液を入れる痛みは数倍だっただろう。
雅紀の目は赤くなり、たくさんの涙が溜まっていた。
「よく頑張ったね。」
針を刺した場所に注射パッドを貼って。
松本はもう一度二人を褒めた。
二人の目に、優しい医者に映るために。
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すい(プロフ) - もうお話はけしてしまったのですか、、？ (2018年6月8日 22時) (
レス) id: 8880b23b54 (このIDを非表示/違反報告)
蒼沙 仁真 - このお話とても好きです。更新待ってます。 (2015年3月23日 16時) (レス) id: a3dd96c4b8 (このIDを非表示/違反報告)
まな - めっちゃおもしろいです！ (2015年2月4日 9時) (レス) id: e3ead53272 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき - 忙しいとは思いますが、更新楽しみに待ってます！ (2014年11月27日 22時) (レス) id: 78ea246325 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき - 忙しいとは思いますが、更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2014年11月27日 22時) (レス) id: 78ea246325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜行猫
作成日時：2014年6月9日 17時
