REVENGE 6 ページ28
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「.........あー....帰っていいっすか?」
「助けろよ!!!」
ザップさんの怒鳴り声が頭に響いた。
第一声が帰りたい、っていうのも理由がありまして。
広い空間に戦闘の痕跡だらけで、焦げた臭いや肌寒くて血の臭い。
まだ、これだけなら耐えられるまだ。
「こんな悪趣味部屋になんか1秒たりといたくねぇよ!!!」
地団駄を踏んで叫ぶ。
視界にはぬいぐるみ(そして大体がピンク色のもの)が大量に散らばっていた。
誰がこんなファンキー部屋になんかはいるか!!!
だけど行かないと話が進まない。
とかいいつつ、既に視界内には今回の元凶らしき人物が既に映りこんでいる。
あの堕落王と偏執王の姿は見えない。
息を呑んで、口を開く。
「お前が、...堕落王が言っていた"お友達"ってのは。」
黒髪の人形の様な人。
服はロリータ呼ばれる分類だろう。
左足のホルスターの銃を引き抜き安全装置も外して、銃口を向けた。
トリガーには指をかけて何時でも撃てる体制になる。
「A。」
後ろからクラウスさんが呼びかけてきた。
「...すみません、どーもこれ、俺の問題らしいんで。」
手は出さないで欲しいです。
そう言って、全員を引かせた。
「...ねぇ、答えてくれない?聞きたい事はクソみたいにあるんだわ。あんたは誰?目的は?さっさと答えてくれないと脳天に穴開けるけど?」
それでも、ピクリとも動かない。
1発、頭の横をすり抜ける。
その証拠に後ろの壁に穴が開き、髪の毛が数本ひらひらと落ちる。
「...喋る気になった?」
「........して...」
ぼそ、と何かが聞こえた。
「...どうして、貴方がそこに立つことが許されるの?」
「......は?」
間抜けな声が出るが、銃口はずらさない。
「私の方がライブラの事をよく知ってるのに、過去も知ってるのに!!どうして!!!どうして貴女がそこに立ってるよ!!!」
ビリビリと空間が震える。
「これは、厄介モンだな...!!」
「A!!心当たりは?!?!」
背中合わせ越しにスティーブンが叫ぶ。
「色んな意味で無し!!!」
軽く笑いながら返した。
殺意で湧いてる相手を見据える。
微かな風で前髪が上がる。
額に光り輝くエメラルドの、もう一つの目。
「っ!!全員目を閉じろ!!!」
咄嗟に声を上げて、スティーブンの視界を防いだ。
遅い、と言う言葉が聞こえて視界がホワイトアウトし、意識が途絶えた。
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白銀(プロフ) - 車の免許頑張ってください。この小説…もう何回も読んじゃった (2016年2月29日 12時) (レス) id: 5703a04258 (このIDを非表示/違反報告)
白銀(プロフ) - ↓のお二人に同意します!!もうすぐ三月に成ります…続きが気になって夜が眠れません… (2016年2月24日 23時) (レス) id: 5703a04258 (このIDを非表示/違反報告)
しゃとる - 新古今和歌集さんに同意です!待ってます!! (2016年2月13日 16時) (レス) id: 893bec9c47 (このIDを非表示/違反報告)
新古今和歌集 - もう2月だけど! 更新するの待ってるから! (2016年2月2日 20時) (レス) id: a42e0de80e (このIDを非表示/違反報告)
カルティ - 椎名魏様、明けましておめでとうございます!そして初めまして。大好きすぎて更新する度、わくわくです!!! 続きも楽しみにしてます!
就活も応援しております。お体に気をつけてくださいね!! (2016年1月3日 0時) (携帯から) (レス) id: fd2790a5c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椎名魏 | 作成日時:2015年8月16日 12時