二つに一つ、一つに二つ ページ37
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「術式が、剥がれましたか」
暖かな日差しがガラス窓から差し込み、優しいテノールの声が耳に入り、それはどこか反響しているように聞こえて美しい歌声のようにも聞こえた。
クッションも何もない木材の長椅子に座り、身体に力が入ることなくただ背もたれに背中を預けていた。
視界は動くがどうも体の感覚が鈍く、自由に動くことが出来ない。
「夢、ですよ」
限りなく夢に近い場所ですが。
「術式が剥がれたことによって身体が耐え切れずにいるのです。元来、一つの体に魂は一つ、一つの魂に体は一つ……ただ
コツコツと靴音が聞こえその中に、カチャカチャと金属音がこすれ合う音も交じりあっていた。
視界の端に白銀の鎧が見えたが、視界はそれ以上上にあげることなどできなく顔までは見えなかった。
「…本来ならば"貴方"と"
何となく、分かりましたかね？と聞かれるが暫し沈黙が訪れる。
口を開けようにも、声を発しようにも、口を開けたのかも声を出したのもかも分からないかった。
「……まぁ、あれですよ、マヨネーズ的な。ほらマヨネーズって酢と油と卵で作れるでしょう？酢と油が
その者はさらに歩みを進め、背中が見えた。
太陽の光によってきらきらと輝く白銀色の髪は肩甲骨辺りまで伸びており、三つ編みに編み込まれてハーフアップでまとめられていた。
「先ほどの呪霊の攻撃により術式が剥離され
トーンが少しだけ落ちたのが分かり、深刻な状態だと理解が出来る。
立ち上がらなければならない、と体に力を籠めるが一ミリたちとも動かなかった。
動こうと察したのか今まで見えなかった顔が、横顔が此方を見た。
「＿＿繝槭せ繧ｿ繝ｼ、どうか今はお休みに」
エメラルドグリーンの瞳が、優しく温かく、こちらを見ていた。
何故か安心し、重たくなってきた瞼を下ろしていくと、カツン、カツンと靴音が遠くなっていく感じがした。
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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました！！！更新楽しみに待ってます！！！！！！！！ (2021年5月21日 9時) (
レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - たきさん» たきさん、コメありがとうございます！好きと言ってくださってありがとうございます…頑張って更新していきますので、楽しみにして頂けたら幸いです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 7e43feffbc (このIDを非表示/違反報告)
たき(プロフ) - 好きです！(唐突) Fateも呪術廻戦も好きなので、この作品はドンピシャです！作ってくれたことに感謝しかありません！お忙しい中大変とは思いますが、ほどほどに更新頑張ってください！応援しています！！ (2021年3月15日 23時) (レス) id: 8363423ed4 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - ミリさん» コメありがとうございます。ンンン意図を読み取ってくれて嬉しいです！存在しない記憶は存在しないからこそ存在しない記憶なんですよ！！もう、意図を読み取ってくれた事が嬉しすぎて...ありがとうございます...頑張ってお話進めます...好きと言ってくれて感謝感激です (2021年2月14日 10時) (レス) id: 9ede5cc8ab (このIDを非表示/違反報告)
ミリ(プロフ) - 存在しない記憶…今そういうことかと気づきました…！今日お話がまるっと消えて別のお話が新しく更新されてるのがもう…好きです…これからも応援しています。 (2021年2月14日 0時) (レス) id: e2a1d964c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椎名魏 | 作成日時：2021年1月22日 18時
