転々 ページ23
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「おじゃましまーす！」
「はい、いらっしゃい悠仁君」
高専から離れたとあるマンション、そこは私が住む一角でもある。
勿論高専にも部屋が用意されているがそこは最低限の荷物だけがあり、マンションには大切な物が多数置かれている。
パタパタとスリッパを鳴らして部屋を見渡して好奇心旺盛な子供がいて、思わずクスリと笑う。
流石に1箇所に居続けるのは精神的にもきついものがあって、今は転々と移動をして悠仁君の身を隠していた。
少し前には伊地知さんの家にお邪魔していたらしいが、今度は私の家に来ている。
「リビング広いって思ったけど、他の部屋は荷物置き場になってる」
「お恥ずかしい限りです。此方に来てあまり片付けが終わっていないんですよ」
キッチンとリビング、寝室はどうにか片付けたがあと一室だけがダンボールの山と成り果てていた。
片付けたいが殆どが食器類で、片付けるのも大変だ。
「うわ、懐かしい。俺が幼稚園の時の写真じゃん、よくアルバム残ってたな……こっちは小学生の時の………これ、残してたの？」
1番手間に置いてあったダンボールは空いており、どうやら悠仁のアルバムが入っていたようだ。
恥ずかしいなぁ、と言いながらもページを捲っていた。
「写真は残っていた方が良いでしょう？」
「まぁ、そうだけどさぁ………あ、ねぇ兄さんのアルバム無いの？俺見たい！」
私のですか、と呟いて自身のアルバムは何処にしまってあるか、と記憶の中から探し出す。
しかし仙台から東京に来る時の引越しの際に、自身のアルバムらしきものは見た記憶が無い。
「もしかしたら実家の方に置いてあるか、送ってしまったかも知れません」
「実家って、イギリスの？」
えぇ、と答え数年程前の事を思い出す。
と言っても就職した5年程前の話、私の就職が決まったとほぼ同時期に私の両親は母の祖父母がいるイギリスへ住むことになった。
その際に色々と断捨離をしたがある程度のものはイギリスに持っていった記憶がある。
その中に私のアルバムも入っているだろう。
「イギリスに行くタイミングがあれば、持ってきましょうか？」
うん、と答えてまたアルバムに視線を落とした。
しばらくは動かなさそうだし、もう少ししたらお昼になる。
お昼ご飯になりそうなものを冷蔵庫から取り出して、あれやこれやと温めなおした。
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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました！！！更新楽しみに待ってます！！！！！！！！ (2021年5月21日 9時) (
レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - たきさん» たきさん、コメありがとうございます！好きと言ってくださってありがとうございます…頑張って更新していきますので、楽しみにして頂けたら幸いです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 7e43feffbc (このIDを非表示/違反報告)
たき(プロフ) - 好きです！(唐突) Fateも呪術廻戦も好きなので、この作品はドンピシャです！作ってくれたことに感謝しかありません！お忙しい中大変とは思いますが、ほどほどに更新頑張ってください！応援しています！！ (2021年3月15日 23時) (レス) id: 8363423ed4 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - ミリさん» コメありがとうございます。ンンン意図を読み取ってくれて嬉しいです！存在しない記憶は存在しないからこそ存在しない記憶なんですよ！！もう、意図を読み取ってくれた事が嬉しすぎて...ありがとうございます...頑張ってお話進めます...好きと言ってくれて感謝感激です (2021年2月14日 10時) (レス) id: 9ede5cc8ab (このIDを非表示/違反報告)
ミリ(プロフ) - 存在しない記憶…今そういうことかと気づきました…！今日お話がまるっと消えて別のお話が新しく更新されてるのがもう…好きです…これからも応援しています。 (2021年2月14日 0時) (レス) id: e2a1d964c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椎名魏 | 作成日時：2021年1月22日 18時
