甘えさせて、甘えられて ページ13
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ぼうっと何処か虚空を見つめる兄貴。
普段ゆるりと笑ってはいるが、今は無表情に近く薄く開いた目、普段とは真反対の表情に色気があり思わず唾を飲み込む。
いや、本来の目的はそれじゃない、とぶんぶんと頭を横に振って声をかけた。
「に、に兄さん、ご飯できたよ！」
何故噛んだッ！！と心の中で叫びながらもやっと本来の目的を達成する。
「ごはん？」
この短時間で深い眠りについていたようで、ゆっくりと言葉を返す。
うーん、唸りながらもゆっくりと上体を起こし、しぱしぱと何度か瞬きをする。
「んー、ごめんなさい、寝ていましたね」
目は今にも閉じそうなぐらいで、声も少し枯れている。
珍しい、というより初めて見るような気がして思わずじいっと見てしまう。
「んー」
今度は唸りながら前に倒れ始め、慌てて立ち上がって肩を押して上体を起こす。
「ほーら、起きて兄さん。ご飯冷めちゃうよ」
俺お腹空いたよ、と言いながら両手で頬を包んだ。
「ん」
何故か満足そうにへらり、と笑うものだから心臓辺りがぎゅうっと締め付けられる。
「(あーーこれ、可愛いってやつだ、兄ちゃん可愛い)」
そう思い始めれば段々と可愛く見えてきて、どうしようもなくこのままにしておきたい気持ちが勝る。
だがそれも束の間、はっきりと目を開けていおりばちりと目が合う。
「ご飯、食べましょう」
「あ、うん」
……起きると切り替えが早い人だった、なんて古い記憶が蘇った。
「ホント君達仲良すぎてせんせー入る隙間無いよね」
「五条さんお疲れ様です」
「あ、五条先生」
様子を見に来てソファを上から覗く五条先生。
五条先生の言う通り、俺と兄貴の間に入る隙間は無い。
俺は兄貴の足の間に座っており自分の膝の上に呪骸が置いてある。
兄貴は俺の肩に顎を置いて脇の下から手を出して小説を呪骸の上に置いて読んでいる。
自分は映画を見て、兄貴は小説を読みながら時々映画も見ていた。
互いに間など無くほぼピッタリとくっ付いている。
「暑くない？」
「「暑いよ/暑いですよ」」
「じゃあ離れなよ」
「「それは嫌だ/それはお断りです」」
何でだよ、なんて聞こえるが理由何て決まってる。
「「引っ付いていたいから」」
それ以外何があるってんだって話。
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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました！！！更新楽しみに待ってます！！！！！！！！ (2021年5月21日 9時) (
レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - たきさん» たきさん、コメありがとうございます！好きと言ってくださってありがとうございます…頑張って更新していきますので、楽しみにして頂けたら幸いです。 (2021年4月27日 22時) (レス) id: 7e43feffbc (このIDを非表示/違反報告)
たき(プロフ) - 好きです！(唐突) Fateも呪術廻戦も好きなので、この作品はドンピシャです！作ってくれたことに感謝しかありません！お忙しい中大変とは思いますが、ほどほどに更新頑張ってください！応援しています！！ (2021年3月15日 23時) (レス) id: 8363423ed4 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - ミリさん» コメありがとうございます。ンンン意図を読み取ってくれて嬉しいです！存在しない記憶は存在しないからこそ存在しない記憶なんですよ！！もう、意図を読み取ってくれた事が嬉しすぎて...ありがとうございます...頑張ってお話進めます...好きと言ってくれて感謝感激です (2021年2月14日 10時) (レス) id: 9ede5cc8ab (このIDを非表示/違反報告)
ミリ(プロフ) - 存在しない記憶…今そういうことかと気づきました…！今日お話がまるっと消えて別のお話が新しく更新されてるのがもう…好きです…これからも応援しています。 (2021年2月14日 0時) (レス) id: e2a1d964c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椎名魏 | 作成日時：2021年1月22日 18時
