今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:14,570 hit
小｜中｜大
011 ページ12
．
ポーン、と気の抜けた音が聞こえて思考が動き出す。
それが飛行機のアナウンス音と気が付くのにはそう時間はかからなかった。
「おはよう。よく寝ていたね」
おはようございます、と自分の寝起きの声が耳もとで響く。
寝るつもりはなかったがやることがなく暇すぎて寝ていたようで、既に着陸の体制を整えていた。
足を組んだまま寝ていたせいで片足はしびれ、首も一方に傾かせっぱなしだったのか変に痛い。
まぁ降りる際には治っているだろう、と考え今後の予定を思い返していた。
空港はAEUの軌道エレベーターからほど遠くない場所に着陸する。
軌道エレベーターが長い時間をかけて建設が行われると同時に、ソレを守るために軍事力を配備した。
そして自然と周りまで発展し、広い軍事施設の周りには街まで栄える。
見慣れない景色に思わず視線を泳がす。
「ここの空港は初めてかな？」
カタギリがそう問え私ははい、と答えた。
故郷である日本や、アメリカの方には何度も訪れているがこっち方面はあまりない、というよりもこっちに来る予定などそうそうない。
入国審査を通り、漸くAEUに降り立った感覚がじんわりと来る。
そして、これから起こる事態に身を構える。
「(彼らが動き出す)」
掠れている前世の記憶を思い出し、短く息を吸った。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椎名魏 | 作成日時：2019年12月4日 21時
