【イナイレ】どうか幸せに。3【佐久間次郎】 (ページ9)

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9.　影は断ち切れないページ9

皆の元へ戻ってくると何やらざわついていた。

どうやら帰りの船が遅延しているらしく、出航まで自由時間になったらしい。

スタジアムまでの道のりで景色を見た感じ、とても綺麗だったしとても楽しみだ。

この前あまり兄ちゃんと過ごせなかった分、今日沢山一緒に過ごしたいと思っていた。

だが――――、

「悪い、やることあンだよ」

申し訳なさそうにしながらも、きっぱりとそう断るとどこかに行ってしまった。

そして私はまた1人になってしまったわけだ。

売店で買ったバナナシェイクを飲みながらベンチにぽつんと座る。

暇つぶしに帝国の奴らのlineにちょこちょこ返信しつつ時間を過ぎるのをひたすら待つ。

声を掛ければ誰かしら一緒に過ごしてくれるだろうけど―――、

自然と佐久間クンが頭に浮かぶ。

だが佐久間クンは今日は鬼道クンとまわると言っていたし、前のようには―――

と思っていた時、突然佐久間クンからlineが送られてくる。

ほんの少しの期待を抱きながらメッセージを開く。

『今どこにいるんだ？！不動も一緒か？！』

文章で焦りや緊迫感をひしひしと感じた。

何事かと思いつつも取り敢えず今の場所を送り、1人であることを伝える。

数分後、随分と焦った様子で佐久間クンと鬼道クンが走ってきた。

「おい、何が――「不動と影山が一緒に居たって聞いたんだ！何か知っていることは無いか？！」

私が質問をする前に佐久間クンが必死な表情で訴える。

佐久間クンの剣幕にも驚いたが、それよりもその内容―――

兄ちゃんと影山が一緒に…ってどういうことだよ……。

私の頭は真っ白になった。