6. 駆け引き ページ6
今日はいよいよナイツオブクイーン戦だ。
ウミヘビスタジアムへ到着し、試合の準備をしているときだった。
「やあ、Aさん。」
あぁ、この甘ったるい声は……。
後ろを振り向くと案の定エドガーがいた。
にこりと優しく綺麗な笑みを浮かべている。
じとりと睨みつけるも、エドガーは平然とした表情で近づく。
「つれない子猫ちゃんもとても愛らしいよ。
それに――、うまくいかない恋ほど燃え上がるというものさ。」
口もとに手を当てクスクスと笑う。
気が無い相手とはいえ、自分に向けられた恥ずかしげもないセリフには少し照れくさくなる。
愛らしいとか恋とか―――、
「……あんまり知らない相手によく言うぜ。
私がどんな人間か知らないクセにさ。」
私のことは韓国戦の時の映像でしかしらないはずだ。
きっとテレビを通して観た私は
『チームの勝利を泣いて喜ぶ健気で無邪気な女の子』
として映っていただろう。
実際は『勝利に執着している醜い人間』なのにさ。
どうせその事実を知ったらこいつだって―――、
「そんなもの、これから知っていけばいいんだよ。時間をかけてゆっくりと…ね。
なに、心配する必要はないよ。私は君に一目惚れをしたんだ、どうしようもない程のね。
君のどんな一面を見ても全て愛する自信はある。」
……こいつ、マジで何を言っても効かねェな。
ここまで言われてしまうともう何も言えなくなってしまう。
そんな私を見ると優しく微笑み私の手を取った。
エドガーと目が合う。
エドガーの瞳はとても真剣で、手を振り払えなかった。
そんな私を見てエドガーは少し頬を赤らめ、嬉しそうに笑みを浮かべる。
「……お願いがあるんだ。
もしも私たちがこの試合に勝ったら……私とデートをしてくれないか？」
--------------------
エドガーとのお話書くの楽しい。
他のと比べると結構するする書けてる気が。。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ | 作成日時：2022年9月11日 11時
