４０． 騎士(佐久間視点)2 ページ47
きらびやかな装飾の会場はとても素晴らしいものだった。
見たことのない料理を軽くつまみながらパーティーを楽しんでいると、やけに周囲がざわつき始めた。
何事だ、と周りを見渡すとみんなの視線は一点に集まっているようだ。
その方へ視線を移すとそこにはAとナイツオブクイーンのキャプテンが居た。
「どうか――私の姫となってくれないか？
私と共に世界を見よう、日本は君には狭すぎる。」
そう言ってエドガーはAの手を取って跪く。
Aは状況を把握しきれていないのかただ茫然とエドガーを見つめていた。
なぜだか考えるよりも先に身体が動いていた。
走って2人の元に向かうとAの腕を軽く掴む。
「触らないでくれ、 Aは帝国学園サッカー部の大切なメンバーだ。」
するとエドガーは立ち上がり俺の顔をまじまじと見た後にAへ視線を向ける。
「…彼はきみの騎士かい？」
エドガーの声色は依然として優しいものだったが、その中に何となく俺に対する苛立ちが読み取れた。
Aは俺とエドガーの顔を何度か交互に見て、そして助けを求めるようにきょろきょろと見渡す。
「お前らさァ、ナニ俺の妹虐めてくれちゃってンの？
いい加減にしろよダッセェなァ」
おどおどとするAにそれを見かねた不動が気だるそうに現れる。
ほら、行くぞとAをぐい、と引き寄せると
「に、兄ちゃぁん……」
Aは涙ぐみ情けない声を発し不動に軽く抱き着く。
掴んでいたAの腕がするりと抜けていった。
不動はぼそりと「カッコつけんならちゃんとしろよな佐久間クン」と俺に耳打ちするとそのまま2人でその場を後にした。
「おやおや、行ってしまいましたね…。
お兄さんが今の彼女の騎士……ってことか。」
去っていく二人の背中を見つめながらエドガーは残念そうに溜息をついた。
俺の胸の中にはは大切なチームメイトを…、Aを助けられなかった虚しさが残っていた。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年3月22日 16時
