番外編・1 (成神視点) ページ5
ー代表選抜後・帝国学園ー
数日ぶりに見たAは、別人のようだった。
俺の中のAは生意気で何考えてるのか分からなくて…
不真面目でろくに授業も練習もしない癖に勉強もサッカーもできるムカつく奴だった。
おまけに佐久間先輩と源田先輩を洗脳して大怪我を負わせた俺たちの敵。
……正直嫌いだった。
でも、今日見たあいつは今までの印象とは全く異なっていた。
佐久間先輩が代表落ちした事に分かりやすいくらい悔しがった。
俺たちがそれを見て驚いているのに顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
それを見てあぁ、こいつも俺らと同じなんだと思った。
「ねぇ佐久間先輩、Aって真帝国のときどんな感じだったんすか？」
俺がそう尋ねると、佐久間先輩は顎に手を当てて考える。
そんなに難しい問いかけだったのか、難しい顔でしばらく考え込んだ。
「ずっと不動の後ろにいた…って記憶しかないな。
あいつ、影山のいう事は聞かないのに不動のいう事は聞くんだよ。
不動に命じられなければ誰とも口を聞かなかった。」
「あ−…ハハ…なんか想像つきますね。」
あの時のあいつは試合でしか見たことがなかった。だが……
エイリア石はその人の能力だけでなく特徴をも引き出す力があるらしい。
今だって不動にべったりなんだ、洗脳されているならそれも納得してしまう。
「え……そうなのか？」
佐久間先輩の話を聞いていたのか、源田先輩が突然話に入ってくる。
なにやら驚いているような、戸惑っているような表情だ。
「なんだ源田、Aとよく話していたのか？
俺は一回も話したことなかったんだがな。」
嫌われているのかな……と苦笑いをしながら頬を掻く。
すると源田先輩がいやいや、と焦ったように話し出す。
「話していた、というか……むしろ俺が嫌われていたのだろう。
Aがやたら怪我をして帰ってきた時があったんだ。
その時、心配のあまりしつこく話しかけてしまって……
それから…まぁ、不動と同じような対応をするようになったんだ。」
内容は詳しく言わなかったが……何となく想像がつく。
源田先輩、不動兄妹に強く当たられてキツかっただろうなぁ……。
それでいて今もめげずに構い続けているのは寧ろ源田先輩の正気を疑う。
なんて返答していいのか分からず、助けを求めるように
佐久間先輩の方をちらりと見ると、何やら考え込んでいるようだった。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年3月22日 16時
