３８． 照れる。 ページ44
選手たちの前に出るや否や綱海が近づいてくる。
私が恥ずかしがるのを分かっているのかいないのか、「似合ってる、可愛い」とからかうように連呼する。
いままで”可愛い”とは無縁で生きてきた。
どちらかというと、兄ちゃんみたいにカッコよくなりたいと思っていた。
だからこんなに可愛いって言われると――――、
みるみる顔が熱くなっていくのを感じ、耐え切れなくなり部屋の隅に見えた兄ちゃんの後ろに隠れる。
するとようやく気付いてくれたのか少し焦りの表情を見せる。
「わりぃわりぃ！でも可愛いし似合ってんのは本当だぜ！！そうだろ？兄ちゃん！」
突然の綱海の『兄ちゃん』呼びに一瞬固まってしまう。
「てめーの兄ちゃんになった覚えはねェよ」「私だけの兄ちゃんだっ」
ほぼ同時に綱海に反論する。
これで圧に押される――かと思いきや
「お前ら仲良いよなぁ〜、兄妹ってそんなもん？」
と平然な表情で土方に絡みに行ってしまった。
兄ちゃんは少し不機嫌そうな表情で溜息をついた。
そして私の方を向くと、少し乱れた髪の毛を整えてくれる。
そして優しい笑みを浮かべ「似合ってる」と周りには聞こえない声でいってくれた。
嬉しくて思わず自然とにやにやと頬が綻んでしまう。
ふと、更衣室のドアが開かれ執事のような身なりの男性が入ってきて、会場に入るように促す。
「兄ちゃん、楽しみだな！結構豪華なパーティらしいよ。」
褒められたこともあり、上機嫌になる私を見ると兄ちゃんもつられるように笑う。
「好きなだけ飲み食いしろよ、折角だしな」
兄ちゃんの言葉に私は元気よく頷いた。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年3月22日 16時
