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act.3
雲の隙間から射し下ろす飴色の春陽がAの頬をそっと撫でる。初めての日本、そして(メイド達と一緒だが)初めてのひとり暮らし。胸が早鐘を打つ気持ちが抑えられず思わずスキップしそうになったが、そういえばスキップなんて出来なかったことを思い出して小さな笑いが唇からもれた。
手続きが遅れて入学式から登校する事はできなかったが、今日から千葉の高校に通うことに嬉しさが滲む。
「友達、できるかしら･･･」
ずっとホームスクールだった。近所に住む歳の近い子達とお茶をしたり遊びに行ったりしたことはあるが、学校という場所の友達は誰もいなかった。流行りも何も分からないが、仲良くできる人ができればいいな。
「なぁ姉ちゃん、俺らとお茶しようぜ？」
「ちょ･･･やめてください･･･っ、」
「いいだろ？ホラ、一緒に行こうや」
―――なんて思いながら通り過ぎた商店街で、臆面な女の子と芝居がかった笑顔で女の子に絡む複数の男の子がAの視界に映った。
周りの大人達はみんな見て見ぬふりで、干渉しないように目線を反らしながら通り過ぎている。外国でも日本でも、自ら波に身を委ねるような人間はいない。Aは地面の感触を味わうように歩を進め、怯えたような目の色をした女の子の前で立ち止まった。
「愛ちゃん、遅れてごめんなさい。待った？」
「えっ」
�牴燭盡世錣覆い猫瓩般椶覗覆┐�Aと、瞠目する女の子。Aの意思が伝わったのか、女の子はぎこちないものの口角を上げてAに「遅いよ〜！」と朗らかな声で話す。
「あなた達、愛ちゃんと約束でもしたの？してないわよね？」
「･･･は？」
「愛ちゃんは私と約束したのよ。いいこと？では、ご機嫌よう」
話す隙を与えないように喋ったAは女の子の手を掴み、男の子達にゆるく手を振って歩き出した。このまま商店街を抜けられれば一番いいのだが、男の子達がそれで納得する筈もなく。男の子のひとりが日傘をさしていないAの腕を掴んだ。
「オイオイ、なんだァ？姉ちゃんも超マブイじゃん。一緒にどうよ？」
女の子の目に恐怖が広がる。Aは女の子を一瞥し、男の子にしっかりと向き合い「しつこい男は嫌われるわよ」と微笑を口元に湛え、そして掴まれた腕を勢いよく振りほどいた瞬間、敏速な動きで男の子の目元を狙って人差し指と中指を突き立てた。
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綾波(プロフ) - ナスさん» 初めまして！すごく好きだなんてとっても嬉しい限りです…！相良君とゆっくり恋を育んでいきたいと思っておりますので、これからの展開とドキドキ感のご期待に添えられるように頑張ります！ (2020年9月2日 23時) (
レス) id: b41655ec04 (このIDを非表示/違反報告)
ナス(プロフ) - きゃ〜！お上品かつ、聡明な小説でその上ドキドキしちゃいます。すごく好きです……！これから発展していく恋愛に期待してます！応援してます。 (2020年9月1日 1時) (レス) id: 28e97fe75f (このIDを非表示/違反報告)
綾波(プロフ) - 如月さん» 初めまして！面白いと思っていただけて大変嬉しいです！これからもまだまだ更新していきますので、今後ともぜひ宜しくお願いします(*´ `*) (2020年8月27日 19時) (レス) id: b41655ec04 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - 面白くて一気見しました！ (2020年8月27日 17時) (レス) id: 9293909c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾波 | 作成日時：2020年8月14日 13時
