或る歯科技工士の恋愛事情【JIN】

41・YOU（最終話） ページ41

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柔らかくて気持ちいい…と感じた瞬間
私の唇から離れていき名残惜しくて
どうしよう…


なんて思っていたら、









「A、好きだよ。」









カンカンカンカンカーン！！









試合終了のゴングが頭の中で鳴り響く


はいはい、降参しますとも


急に呼び捨てとかマジで勘弁して下さい









「Aは？」



髪を撫でながら甘く囁かれ返事を
促されるけれども答えは勿論、



『…私も…ソクジンさんが…


好き、です…』


「良かった」


そう言うと再び唇が重なり
今度は私の歯列を彼の舌でなぞられる



「…いい歯並びだね。これは生まれつき？」


『はい…』


「今からでもデートする？」


耳元で囁かれているが、


『はい…』


ソクジンさんのキスで頭がふわふわしてる私



優しい笑顔を向けていた彼はそうだ、
と急に眉根を寄せて、



「駅に来ないから振られたと思ったんだよ？
ここに来るまで不安だったんだから。」



私の唇を指でなぞりながら
恨み言を言うソクジンさんが…


可愛くて仕方ない



『勘違いでした。ごめんなさい…』


「あれ？ごめんなさいしてくれるんだ。

テヒョンがヌナは絶対謝らない譲らない、
自分の意見押し通す独裁者だって
言ってたから(笑)」



『…………』



テヒョンは帰ってきたら
キャメルクラッチの刑に処するとして…







私もビックリしてます…



まるで「北風と太陽」のお話みたい
　


彼がおひさまみたいに暖かく優しく
包み込んでくれるから
私の尖った部分が削り取られて行く





私…ソクジンさんには勝てる気がしない





勝ちたいと思わない





相手に身を任せたり、
素直になるっていいものだね






太陽なあなたはやっぱり…




　



『無敵なんですね(笑)』






「ん？僕無敵なの？」









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ー「或る歯科技工士の恋愛事情」、ENDー









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