46話 ページ49
Aside
目を覚まし、身体を起こすとそこには相澤先生と13号先生のベッドが目の前にあり、2人はもう起きていたみたいで私を見てホッとため息を吐いた。
「…大丈夫か」
「Aちゃん…」
何故だか声を出す気力も無く、こくり、と静かに頷いて窓の外を見る。明るいということは、あれから日は経ったということ。…生きて、しまった。…彼らに何度も生かされたこの命なのに、一瞬でも死にたいと思ってしまった。三角座りで顔を埋めた。
怖かった。彼らに叱られてしまうことが、夢の中で響いた"オールフォーワン"という存在が。
『…遊ぶ約束、破ってごめん』
ポツリ、ぽつりと謝罪の言葉を相澤先生に投げかける。
『逃げろって言われた時、逃げられなくてごめん。先生に怪我させたくないって言われて助けるの、躊躇ってごめん。脳無の、庇わせてごめん。眼のところの怪我、負わせてごめん。何も、出来なくてごめん…一瞬でも、死にたいって思って、ごめん』
途中で"もうやめろ"という声が聞こえて、止めよう止めようと思っているのに止まらない口に不気味に思いながら、死にたいと思ったことを謝ると、彼は物凄く顔を顰めた。
『…貴方に何度も助けて貰った命、なのに、諦めて捨てようとした…先生は、身を呈して助けてくれたのに』
"死ぬかも、しれなかったのに"
止まらない口と、流れて止まない自身の雨に嫌気が刺す。こんなこと言っても、相澤先生はもちろん、13号先生も困るのに。
「……もう、やめろ…」
そう言って俯く彼の瞳は濡れていた。13号先生ですら、窓の方を向いていた。
『ごめん、なさい…』
謝ることしか出来なかった。謝ったとて、彼の眼の下の傷は癒えるものでもないし、崩れた肘が治る訳でもない。それに比べて私は大した傷も負わず、心だけ一丁前に勝手に傷付いて。私は…
「A君」
がら、と静かに開いた病院のドア。そこにはオールマイトが居て、眼をそちらの方向に向けることしか出来ず、返事をする気力も無く失礼な態度を取る。
「…聞きたいことがあるんだ」
そう言って彼は私の俯いた顔を半ば無理やり、でもって優しく持ち上げ
「…オールフォーワンについて」
ぽそり、と2人には聞こえない声でそういう彼の言葉に震えた。ベッドが揺れてカタカタ言うくらい、そのくらい震えていることに気がつく。
『…ぁ、…あぁ…ごめん、なさい、､ごめんなさい…』
相澤先生が何をした、と彼を見やるも彼もまた冷や汗をかいているのを見ると、何も言わなかった。
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ノト(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2022年11月14日 19時) (
レス) id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ノトさん» もちのろんですぅー！！ (2022年11月14日 18時) (レス) @page39 id: f9cc241d98 (このIDを非表示/違反報告)
ノト(プロフ) - りんごさん» りんごさん、ありがとうございます！過去を振り切れた猫葉ちゃんがどう皆と接していくのか、良かったら見届けてください！ (2022年11月13日 21時) (レス) id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ好きですー！！1aのみんなとの絡みももっと見てみたい欲がでてくる！！！ (2022年11月13日 21時) (レス) @page35 id: f9cc241d98 (このIDを非表示/違反報告)
ノト(プロフ) - ちきみさん» ちきみさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2022年11月12日 0時) (レス) @page20 id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノト | 作成日時：2022年11月9日 23時
