27話 ページ30
Aside
少しだけ抱きついて、少しだけ泣いた。
俊典さんの時と違って今は寝て誤魔化すことなんてできないから、ものすごく顔を上げるのが恥ずかしい…
妙案を思い浮かんで相澤先生の胸の中に居る今、猫モードに変わった。
「…猫葉？」
急に猫モードになった私に驚いたのか、ぱちくり、といつも見開かない目をほんの少しだけ見開いてこちらを見てくる。
ﾄﾃ､と相澤先生の腕の中から降りてドアの前に立って
『にゃぁ(開けて下さい)』
「…腹減ったのか、今行くよ」
少し崩れた捕縛布を直して私の前に立って歩いてくれる相澤先生。
何も聞かない彼の傍が、凄く心地いい。
元々声のトーンとか落ち着いてるし、俊典さんトゥールーフォームの時のように、心地良いのには変わりはないんだけど…
あの時から、そうだった。5年前、から。
相澤先生の腕の中が1番落ち着く。
なんだか、これ以上自分の気持ちを知ってしまったらもっと重くなりそうで、これ以上好きになったら蓋をできない気がして、知らないふりをした。
ごはんですよ の蓋が開かなくてそのままほっぽって他のおかずで食べる感覚。
それかかっぱえびせんをちょっとだけ食べようとして封を開けたら止まらないで全部食べてしまった時の感覚。
あ、これだ。
……いや1人でなに考えてんだろ私。
「そういえばオールマイトさんも居るから」
『にゃ"(え")』
「…気まずいとは思うが運んだくれたのもオールマイトさんだから一応礼はしとくんだぞ。詫びでもいいが」
多分これを伝えてくれたのは私に心の準備を与えるため。そりゃそうだ、敵陣に攻め入る時に準備しない人なんていない。
…いや、俊典さんは敵じゃないけど。
色々考えて心を紛らわそうとしたけど、やっぱり怖いもんは怖い。これで変な感じになってたら嫌だし…な…
「…食堂行くならその姿で行くなよ。一応ご飯食うところだからな」
あ、そうだよね… なんて言われた言葉を咀嚼しながら人間モードに戻る。
「…ん？…目ェ赤いの治ってるな」
すり、と親指で目尻を触る相澤先生
…顔近い…ｯ
と思いながら相澤先生からちょっとだけ離れてスマホの内カメで確認をする。
『あれ…ほんとだ』
確か5年前も怪我してたけど猫から人間に戻ると怪我が無くなってた。
もしかするとモード切り替えをすると治癒能力が素早く行えるのかもしれない。
「ま、今は教員しかいないから大丈夫だ。ほら、行くよ」
軽く手を握って前を歩いてくれる。
…やっぱり…、やさしい。
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ノト(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2022年11月14日 19時) (
レス) id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ノトさん» もちのろんですぅー！！ (2022年11月14日 18時) (レス) @page39 id: f9cc241d98 (このIDを非表示/違反報告)
ノト(プロフ) - りんごさん» りんごさん、ありがとうございます！過去を振り切れた猫葉ちゃんがどう皆と接していくのか、良かったら見届けてください！ (2022年11月13日 21時) (レス) id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ好きですー！！1aのみんなとの絡みももっと見てみたい欲がでてくる！！！ (2022年11月13日 21時) (レス) @page35 id: f9cc241d98 (このIDを非表示/違反報告)
ノト(プロフ) - ちきみさん» ちきみさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2022年11月12日 0時) (レス) @page20 id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノト | 作成日時：2022年11月9日 23時
