19話 ページ22
Aside
「簡単に言うと私の個性はワン・フォー・オールと言ってね、これは代々受け継がれてきた個性なんだ。個性を譲渡する、と言えば早いかな」
『…なるほど、そのワン・フォー・オールは緑谷くんが受け継いだんですね』
「そう、ヘドロ事件。あの時に緑谷少年に出会って無個性だった自分と重ねてしまってね。そして何より、彼には素質があった」
『…ワン・フォー・オール、受け継がれるってことは段々強くなって行ってるって事ですか？』
「そう、培った力を渡していく個性だからね」
『…簡単に言ったらゲームの強くてニューゲーム、それを他者に与えてそれを繰り返す、みたいなものですね』
こういう話は咀嚼しないと私には少し難しかった。
元々爆豪くんには無個性だと思われていた緑谷くん。隠していた訳では無い。かといってこの歳で発現するとは考えられない。
「そうさ、分かりやすいね。ユニークな例え方だ」
にわかには信じ難いが、与えられた、そう考えると色々合致する部分がある。そして扱い切れていない個性。強くてニューゲームを繰り返しているから器以上に力が溢れ出してる、って考えたら楽なのかな。
これから鍛えたら違うってことか…だからオールマイトは緑谷くんに目をかけている。なるほどね。
『辻褄が合いました。色々と。…今オールマイトは個性の残り香のようなものを使っているって事ですか？』
「そう、言う事になるね」
『…ということは、いずれかはヒーロー、やめるんですか？』
少し、寂しいな。
「はは、ヒーローを名乗るには程遠い存在になるだろうね。きっとその頃には助けられる側さ」
『…私別にヒーローが好きなわけじゃないんです』
お母さんもお父さんもヒーローだった。
だからヒーローが好きなんだろう、と思われがちだけど
『…お母さんもお父さんも、ヒーローだったから死んじゃったし』
昔を懐かしむかのように目を瞑って思い出す。
「…うん」
『でも、ヒーローも良いかもなって思えたのは…5年前のあの日。イレイザーヘッドに助けて貰った時…と試験結果を伝えてくれたオールマイトの言葉。2人の放つ言葉は私の胸にストンと落ちるので、好きです。言って欲しい言葉を逃さず言ってくれる感じ』
ポン、と私の頭を撫でるオールマイト。
「君がそう言ってくれるだけで私は嬉しいんだ。ありがとう、猫葉少女」
撫でてくれる手に、無意識的に擦り寄った。
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ノト(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2022年11月14日 19時) (
レス) id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ノトさん» もちのろんですぅー！！ (2022年11月14日 18時) (レス) @page39 id: f9cc241d98 (このIDを非表示/違反報告)
ノト(プロフ) - りんごさん» りんごさん、ありがとうございます！過去を振り切れた猫葉ちゃんがどう皆と接していくのか、良かったら見届けてください！ (2022年11月13日 21時) (レス) id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ好きですー！！1aのみんなとの絡みももっと見てみたい欲がでてくる！！！ (2022年11月13日 21時) (レス) @page35 id: f9cc241d98 (このIDを非表示/違反報告)
ノト(プロフ) - ちきみさん» ちきみさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2022年11月12日 0時) (レス) @page20 id: 6f15257df8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノト | 作成日時：2022年11月9日 23時
