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本当の幸福【イルミ】2 ページ10

「…あ、もしもし父さん?うん、大丈夫。ターゲットは…Aはちゃんと殺 したよ」

「…は?何言って、私はまだ死んでなっ━━」

大声を出した私に、男は乱暴に私の口を塞いだ。
鼻まで覆われ息が出来ない
男は未だに電話で話をしている。
そろそろ離してもらわないと、息が持たない

じたばたと暴れていると男はやっと電話を切って手を離した。

「はぁっはぁっ、あんた…今殺 す気で塞いでたでしょ」

キッと睨みつけても、男は全く悪びれた様子もなく「ごめんごめん」と言った。


「君を今ここで殺 すのはなんか勿体ない気がしてね。今の君を殺 しちゃったら俺は君を救うことになっちゃうからね。」

つまり、死にたがっている今の私を殺 すのは面白くない、と。

「さすが殺 し屋なんてイカれた仕事をしてる人ね、性格がひん曲がってるわ」

「そりゃどーも」

「言っとくけど、私が生きたいと思うことはない。これからもそれは変わらない。」

これ以上、この男の相手をするのは無駄だ
とっととこんな所から立ち去ろう。

身体は未だに痛むけど、歩けないことは無い。
幸い痛めてるのは片足だけ、これならここから出るくらいはできるだろう。

なんとか立ち上がり、男とは逆の方へ歩きだした。

「そんな身体でどこに行くつもり?君にはもう帰る家もないだろ?」

「あの家に帰る気なんかさらさらない。それに言ったでしょ、貴方が私を殺 さなくても私は自分で死ぬつもりだった」

「死なせないよ、これから君は俺と一緒にいてもらう」

「はい?」

「そんなに死にたいなら、その命俺に使わせてくれない?」

「やっぱり馬鹿なの?」

「?、死にたいってことはその命はいらないってことだろ?だったら俺にくれてもいいよね」

「…はあ」

話が突飛しすぎてついていけない。
こいつのせいでまた頭が痛くなりそうだ。

私が呆れた顔をしても、あいつは初めと変わらず全く感情の込められていない目で私をみる。

なんかもう、どうでもいいや。

「好きにしたらいいよ」

「それは良かった。まぁ嫌と言われたところで無理矢理にでも連れていくつもりだったけど」

「結局私に拒否権なんてないんじゃん」

「そういうこと、物分りがよくて助かるよ」

いちいち癇に障る男だ。

「それで?これからどうするの?見ての通り誰かさんのおかげで私は一人で歩くのもままならない状態だけど。使い物になるかどうかも怪しいよ」

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設定タグ:ハンターハンター , クラピカ , 幻影旅団   
作品ジャンル:アニメ
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リノン - すごくいいね!キュンキュンしたw (10月14日 2時) (レス) id: c32dd55e0d (このIDを非表示/違反報告)
youki(プロフ) - ゴンの話すき…ゴンもすき… (2020年1月28日 18時) (レス) id: 26e2b83aba (このIDを非表示/違反報告)
しぉ。 - ゴンのが最高過ぎた。 (2019年6月2日 19時) (レス) id: c13a237850 (このIDを非表示/違反報告)
ゲゲゲのひーやん - 面白かったー!!! (2018年10月18日 0時) (レス) id: f282bdc2c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作成日時:2018年7月21日 5時

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