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本当の幸福【イルミ】 ページ9

夢を見た

暗闇の中、ひたすら走っていた。
右も左もわからない、どこに向かってるのかも分からない。
だけど、ただひたすらに走った。

━━━━━…


目が覚めたら、私は冷たいアスファルトの上だった。

ゆっくりと身体を起こし辺りを見渡す
どうやらここは廃墟のようだ。

なぜここにいるのか、思い出せない。
それよりひどく頭が痛む。

「…っ」

立ち上がろうとした途端、足に鈍い痛みが走ってその場にへたり込む。

自身の体を見ると、色んなところに痣や血があった
足首は腫れていて、紫色に変色していた。

多分、折れてはいない。けど、ここまで腫れているとしばらくは歩けないだろうとぼんやりした頭で考えた。

「やっと起きた」

「…誰」

いつからそこにいたのか、振り向くと男の人が立っていた。

長身で、長い黒髪。
生気を感じさせない瞳で私のことをずっと見つめている。
なんだか落ち着かない。

「自己紹介したところで意味は無いと思うけど」

どうせ死ぬんだし、と何でもないような顔をして言った。

淡々と言う男の言葉を、私は黙って聞いていた。

「俺の家殺 し屋なんだけどさ、依頼があったんだよね。君を殺 せって」

それを聞いて、特に驚くこともなく納得した。

多分、依頼したのは私の両親だ。
私を始末するために自分たちの手を染めるような人達ではないから。

まぁ、どちらにせよどっちでもいい
今更生きることに執着なんてしてない。
ずっと、家の中で監 禁されて地獄のような日々。
そう考えると今までの私は生きてると言っていいのかも分からない。

「殺 すなら、早く殺 してよ」

そう言った私を見て男は面白くないとでも言うような顔をした

「怖くないの?」

「怖い?なにが?」

「…ま、どうでもいいや。それにしてもひどい親だね
仮にも自分の子供を殺 せだなんて。可哀想に」

“可哀想”その言葉に少し苛立ちを覚える。
それが自分に向けられたものだと尚、腹が立つ

「可哀想?そんなの貴方に言われる覚えは無い。そもそも、わざわざ貴方に殺 されなくとも私は自分で死ぬつもりだった。あの地獄から抜け出せるなら私は喜んで死ぬ」

「そっか、うん。気が変わった」

そう言うと男はポケットから携帯を取り出した。
どこかに電話をかけているようだ。

訳が分からない。気が変わったってことは私を殺すのをやめるってことなんだろうか。辞めたところで、私はもう生き続ける気も無いけど。

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設定タグ:ハンターハンター , クラピカ , 幻影旅団   
作品ジャンル:アニメ
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リノン - すごくいいね!キュンキュンしたw (10月14日 2時) (レス) id: c32dd55e0d (このIDを非表示/違反報告)
youki(プロフ) - ゴンの話すき…ゴンもすき… (2020年1月28日 18時) (レス) id: 26e2b83aba (このIDを非表示/違反報告)
しぉ。 - ゴンのが最高過ぎた。 (2019年6月2日 19時) (レス) id: c13a237850 (このIDを非表示/違反報告)
ゲゲゲのひーやん - 面白かったー!!! (2018年10月18日 0時) (レス) id: f282bdc2c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作成日時:2018年7月21日 5時

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