本当の幸福【イルミ】4 ページ12
「私が死ぬ時は寿命か病気、もしくは…イルミに殺 される時かな」
そう言って笑うとイルミは少し不機嫌な顔をして見せた。
「そんな昔の話もう忘れたね。俺にその気があったらあの時にもう既にAは死んでるよ」
「それは変ね、その気があったのにも関わらず私の治療をしてまで私を生かしたのは何でだろうね?」
あの時の私は、イルミにいいように使われたあとすぐに殺されるんだろうと思いながら過ごしていた。
死ぬことは怖くなかったから、いつ死んでもいいと思った。
だけど、イルミは私になにか酷いことをする訳でもなくただ私をそばに置いた。
イルミに殺しの依頼が入れば、私もそれに着いていき
用事があると言い街に出た時は、私の洋服や生活に必要な物を買って周りながらその辺にあるお店で買った物を食べ歩きながら帰ったり。
私は今までにない“普通の生活”を送っていた。
どうせ死ぬ相手にここまでする理由はなんなのか、不思議だったがこの男の考えることはいつも突飛で、もしかしたら何も考えてないだけだろうと一人で自己完結した。
それか、死ぬ前にいい思いをさせてあげようというこの男の粋な計らいなのかもしれない、と。
どんな理由にせよ、私はこのなんでもない生活が好きだった。
そんな普通の生活が私の中で、当たり前になってきた頃
そろそろこの生活も終わるだろうと腹をくくっていた。
ベッドに入ると、明日で最後かもしれないと思いながら眠りについた。
しかし、その明日はいつまで経ってもやってこなかった。
朝起きて、身の周りの家事をこなして
イルミとなんでもない話をしながら食事をする。
夜になれば、ベッドに入り眠りにつく。
気づいた時には、イルミは当たり前のように私の隣で一緒に眠っていた。
この時から、私は
明日死ぬかもしれない、が明日は何をしようと
イルミとの明日を考えながら眠るようになった。
そんな日がずっと続いて、今もこうしてイルミと毎日を過ごす。
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リノン - すごくいいね!キュンキュンしたw (10月14日 2時) (レス) id: c32dd55e0d (このIDを非表示/違反報告)
youki(プロフ) - ゴンの話すき…ゴンもすき… (2020年1月28日 18時) (レス) id: 26e2b83aba (このIDを非表示/違反報告)
しぉ。 - ゴンのが最高過ぎた。 (2019年6月2日 19時) (レス) id: c13a237850 (このIDを非表示/違反報告)
ゲゲゲのひーやん - 面白かったー!!! (2018年10月18日 0時) (レス) id: f282bdc2c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2018年7月21日 5時